病9-4版_立ち読み
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●卵胞:ovarian follicle ●一次卵母細胞:primary oocyte ●顆粒膜細胞:granulosa cell ●莢膜細胞:theca cell ●原始卵胞:primordial follicle ●一次卵胞:primary follicle ●二次卵胞:secondary follicle ●Graaf卵胞/成熟卵胞:Graafian follicle/mature follicle ●基底膜:basement membrane ●透明帯:zona pellucida ●卵胞腔:follicular antrum ●卵丘:ovarian cumulus2〜5mm …約46μm約35μm●エストロゲンによるGnRH分泌に対するフィードバック作用は,ポジティブ,ネガティブの両方がある.エストロゲンの濃度により前腹側室周囲核(AVPV)に作用するか,弓状核(ARC)に作用するかが決まり,これによってフィードバックの形態も決まる.●GnRHの半減期は2〜4分と短く,GnRHの分泌動態に合わせて,LHもパルス状,サージ状といった分泌動態をとっている.●FSHは,半減期がLHより長く,GnRH以外の因子の調節も受けることから,LHほどは明瞭なパルス状分泌動態を示さない.●ポジティブ・フィードバック,ネガティブ・フィードバックが調節されることで,卵胞発育,排卵,黄体化といった性周期が調節されている.●新生児期までに形成されている原始卵胞は,思春期になると排卵に向けて発育を開始する〔p.100〕.●原始卵胞は,15〜20個程度が同時に発育を開始するが,発育の過程で順次閉鎖卵胞となり,成熟卵胞にまで発育し排卵に至るものは通常1個である.原始卵胞から成熟卵胞までの発育は各月経周期の卵胞期(約14日間)のうちになされるわけではない.月経後,卵胞期に入り排卵に向けて発育し始めるのは,二次卵胞である.●一次卵胞から成熟卵胞まで発育するには200日程度かかり,各月経周期の卵巣には様々な発育段階の卵胞が存在する.●エストロゲンは,弓状核(ARC)のキスペプチン産生細胞に作用すると,キスペプチンの分泌を抑制し,GnRHのパルス状分泌を負に調整している.●エストロゲンは,前腹側室周囲核(AVPV)のキスペプチン産生細胞に作用すると,キスペプチンの分泌を促進し,GnRHのサージ状分泌を起こす.女性ホルモン一定濃度以下のとき一定濃度以上のとき150.15〜0.2mm0.2〜0.4mm90日以上25日AVPVGnRHLH14日間ARC20mm60日二次卵胞から急激に成長卵胞の発育過程●卵細胞(一次卵母細胞)を周囲の卵胞細胞,顆粒膜細胞,莢膜細胞などが取り囲んだものを卵胞という.卵胞は,発キスペプチンサージサージ黄体化排卵エストロゲン一次卵母細胞胞状卵胞卵胞腔の形成透明帯卵胞腔月経キスペプチンを介した性周期の調節育段階に応じて構成細胞群の変化,形態変化を伴い,段階に応じた名称でよばれる.卵細胞卵胞原始卵胞一次卵胞*一層の円柱状顆粒膜細胞特徴扁平な上皮様細胞(前顆粒膜細胞)上皮様細胞顆粒膜細胞形態一次卵母細胞大きさ・数様々**日数*顆粒膜細胞が重層化したものを一次卵胞,卵胞腔が形成されたものを二次卵胞と分類する教科書もある.**原始卵胞の状態で休止していた卵胞は,思春期以降,順次発育を開始するので,原始卵胞から一次卵胞に発育するまでにかかる期間は様々である.また,原始卵胞が発育を開始してから一次卵胞に至るまでの正確な期間は明らかではない.ポジティブ・フィードバック二次卵胞*重層化した顆粒膜細胞前胞状卵胞莢膜細胞の分化・増殖重層化した顆粒膜細胞基底膜卵胞周囲の結合組織莢膜細胞ネガティブ・フィードバックキスペプチンパルスパルス卵胞発育成熟卵胞排卵前卵丘排卵

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