病9-4版_立ち読み
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●ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):human chorionic gonadotropin ●ヒト閉経後尿性ゴナドトロピン(hMG):human menopausal gonadotropin ●卵胞刺激ホルモン(FSH):follicle stimulating hormone ●排卵誘発:ovulation induction ●性腺刺激ホルモン放出ホルモン/ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH):gonadotropin releasing hormone ●卵巣過剰刺激症候群(OHSS):ovarian hyperstimulation syndrome ●黄体化ホルモン(LH):luteinizing hormone●ARTで不妊治療を行う際には,ARTのながれ〔p.250〕で解説した各段階を月経●月経周期からみたARTのながれの例を以下に示す.実際には,どのような卵巣刺激法を行うか,胚移植をすぐ行うか,凍結して次周期以降に移植するかなどのバリエーションがある.●ARTを実施する前の周期(前周期)には,Kaufmann療法や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)投与を行●卵巣刺激法には様々な方法があるが,hMG(またはFSH)で多数の卵胞を発育させ,最終的な成熟を刺激するために●ARTの第一段階は,IVF,ICSIに用いる卵子を得ることである.●内分泌・排卵因子により排卵がない症例で排卵誘発〔p.252〕を行うことはもちろん,通常の●卵巣刺激には,クロミフェンや,ゴナドトロピン製剤(hMG製剤,FSH製剤,hCG製剤)を用いる.実際には早発排卵を防止するため,GnRHアナログ製剤を併用する〔p.252〕.最近は自己注射が可能な遺伝子組み換え(リコンビナント)ゴナドトロピン製剤(recFSH製剤,rechCG製剤)が用いられる.●クロミフェン(FSH分泌を促進)やhMG(FSH作用がある)により,複数の卵胞が閉●卵胞成熟の最終段階ではLH作用が必須で〔p.16〕,hMG製剤(あるいはFSH製剤)で刺激した場合は,卵胞の発育が進んだところでhCG(LH作用がある)を投与する必要がある.●卵巣刺激を行う場合にはOHSSの発症予防に注意が必要である.●卵巣過剰刺激症候群(OHSS)〔p.258〕の予防のため,自然排卵周期で1個の成熟卵胞を得て●一般に10数個の発育卵胞のうち,エストロゲンやインヒビンのネガティブ・フィードバックによるFSHの低下に耐えた主席卵胞だけが成熟卵胞となり,残りの卵胞は閉鎖卵胞となる〔p.16〕.生殖医療不妊治療●数個から十数個の卵胞が成熟卵胞となる〔p.234〕.●1〜5個の卵胞が成熟卵胞となる.●1個の卵胞のみが成熟卵胞となる〔p.234〕.251An Illustrated Reference Guide hMGまたはFSHIVFまたはICSIhCGEThMG刺激 月経周期に合わせて行う ARTのスケジュール ARTの第一段階 卵巣刺激周期に合わせて計画し実施する.卵巣刺激月経排卵がある症例においても,複数の卵子の回収を目指して卵巣刺激を行うことが多い.ARTに用いる方法もある〔p.257〕.鎖卵胞になることなく発育する.クロミフェン刺激カウフマンまたは低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬を用いることがある…  前周期  …うことがある.目的は,卵巣刺激を行う前に,内分泌動態,子宮内膜の状態をリセット・調節しておくことである.hCGを投与するというながれが基本である.自然周期における卵胞発育自然周期に沿ったFSH・LH分泌卵巣二次卵胞閉鎖卵胞成熟卵胞採卵卵巣刺激による卵胞発育黄体補充ARTのスケジュール例Kaufmann療法(LEP)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22(日)

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