病9-4版_立ち読み
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※過多月経の改善に,子宮内膜焼灼術,レボノルゲストレル放出子宮内システム,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP),トラネキサム酸を用いることもある.●子宮体部肉腫:sarcomaoftheuterinebody ●子宮筋腫:uterinemyoma ●鉄欠乏性貧血:irondeficiencyanemia ●過多月経:hypermenorrhea ●不正性器出血:atypicalgenitalbleeding ●月経痛:menstrualpain ●月経困難症:dysmenorrhea ●不妊〔症〕:infertility/sterility ●性腺刺激ホルモン放出ホルモン/ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH):gonadotropinreleasinghormone ●子宮筋腫核出術:myomectomy ●レボノルゲストレル放出子宮内システム:levonorgestrel-releasingintrauterinesystem●子宮内膜症と同様,エストロゲン依存性のため,閉経後,筋腫は縮小傾向をたどり,その発症も激減する.閉経後もなお増大するようであれば悪性(子宮体部肉腫)の可能性も考えられる.●子宮内腔病変(粘膜下筋腫など)の検査としては,上記に加えて,ソノヒステログラ●手術を希望しない場合の治療として,子宮動脈塞栓術(UAE)〔p.143〕,MRガイド下●筋腫結節は被膜を形成しないが,筋層を圧排しながら発育・増大するため,筋腫結節と子宮筋との境界は明瞭である(→).●このため容易に筋腫結節のみを摘出できる(筋腫核出術)〔p.141〕.intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:30~40歳代の女性❷鉄欠乏性貧血,過多月経,不正性器出血,月経痛(月経困難症),不妊,下腹部腫瘤,下腹部痛,頻尿,腰痛などがみられる.❸内診で形状が不整で硬く腫大した子宮を触れる.❹超音波検査(経腹,経腟),MRI,子宮鏡(ヒステロスコピー)などで骨盤内に充実性の腫瘤が認められる.➡子宮筋腫と診断する.治療治療と経過観察の判断は,過多月経による貧血の程度,圧迫症状,疼痛,⒈経過観察…明らかに良性で,無症状,挙児希望がない場合,3~6ヵ月ごとの検診⒉薬物療法:GnRHアゴニスト⒊手術療法:a.筋腫核出術※対症療法(貧血改善,鎮痛薬)のみ行うこともある.134子宮体部肉腫 〔p.134〕子宮悪性腫瘍の3~7%を占める予後不良の腫瘍.平滑筋肉腫,子宮内膜間質肉腫が大部分を占める.手術療法が第一選択である.レゼクトスコープ GnRHアナログはGnRHアゴニスト(作動薬)とGnRHアンタゴニスト(拮抗薬)に大別される.搭載した子宮鏡.〔p.134〕反復投与によりdownregulation(作用物質の受容体数の減少)を起こし下垂体機能を抑制する.これにより筋腫は縮小するが、投与終了後、卵巣機能が回復すると筋腫の大きさは4~6ヵ月で元に戻ってしまうため、手術前や閉経が近い場合などに用いられる〔p.131〕.〔p.141〕ループ状電気メスをD25筋腫の大きさと存在部位,挙児希望などを総合して行われる.b.単純子宮全摘出術…根治療法子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍(平滑筋腫)で,発生・増大にエストロゲンが関与するエストロゲン依存性疾患である.婦人科疾患の中で最も多く,生殖年齢の女性の20~30%にみられるとされる.ほとんどは子宮体部(約95%)に発生し,多発することが多い(60~70%).悪性化することはまれである(0.5%以下).フィが非常に有用である〔p.139〕.集束超音波療法(FUS)〔p.142〕がある.〈性成熟期〉〈筋腫の腫大〉周囲の正常平滑筋と明確に区別できる肉眼所見●子宮筋腫は円形で白く硬く,筋層より単発あるいは複数個発生する.監 修林 保良GnRHアナログGnRHアゴニスト GnRHアンタゴニスト下垂体GnRH受容体に直接拮抗し,視床下部からGnRHによる下垂体機能促進を抑制する.GnRHアゴニストでみられる投与初期の一過性ゴナドトロピン分泌刺激(flフレアareuアップp)がなく,強力かつ迅速にゴナドトロピン分泌と性ステロイドホルモン産生を抑制する.また,投与を中止した場合,下垂体機能の回復も早い.しかし,わが国での適応は,まだ生殖補助技術(ART)での排卵コントロールの際に限られている.uterine myoma子宮筋腫

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