病8-3版_web立ち読み用
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●輸液療法:fluid therapy ●輸液:infusion/transfusion ●電解質:electrolyte ●酸塩基平衡:acid-base equilibrium ●細胞内液(ICF):intracellular fluid ●細胞外液(ECF):extracellular fluid ●組織間液(ISF):interstitial fluid ●間質:interstitium/interstitial tissue ●血漿:blood plasma/plasma ●膠質浸透圧:colloid osmotic pressure/oncotic pressure ●張度:tonicity ●等張液:isotonic solution ●自由水:free water●輸液療法とは,適切な輸液製剤を経静脈的に投与する治療である.●輸液療法のうち,生体内の水分量,電解質,酸塩基平衡の正常化を目的とするものを ●血管内に投与された輸液成分は,血管壁と細胞膜を介して,細胞内液・組織間液(間質)・●輸液製剤は血管内に投与されると,速やかに細胞外液全体に分布する.●さらに細胞外液の張度〔p.74〕が変化すると,細胞内液との張度差に従って水の移動が起こる.●輸液製剤はその張度から,等張液(生理食塩水や乳酸リンゲル液など)と自由水(5%ブド●水は血管壁も細胞膜も通過でき,膠質浸透圧〔p.74〕や張度〔p.74〕により,その分布が決まる〔次項参照〕.●ナトリウムイオン(Na+)は血管壁を通過できるが,細胞膜を自由に通過できない.●アルブミンなどの分子量の大きな物質は血管壁を通過できず,血漿中に留まる.●自由水とは,有効浸透圧物質〔p.74〕を全く含まない(張度=0)溶液をいう.●自由水を投与すると,細胞内液・組織間液・血漿の全ての分画に分布し,それぞれに体積8:3:1の割合で分布する.血漿●❶●体液は細胞内液・細胞外液にそれぞれ体積2:1の割合で分布し,さらに細胞外液は組織間液・血漿にそれぞれ体積3:1の割合で分布する〔p.72〕.●等張液とは,体液と張度が等しい溶液をいう.●等張液を投与すると,全て細胞外液に分布し,組織間液と血漿に体積3:1の割合で分布する.輸液療法114H2OH2ONa+H2O体液を補充する治療輸液療法とは等張液と自由水の違い輸液の分布水・電解質輸液,エネルギー・栄養源の補給を目的とするものを栄養輸液という.血漿の各分画に分布する.細胞内液ウ糖液など)に大別され,多くの輸液製剤はこの2つを組み合わせて作られている.●①細胞外液組織間液(間質)細胞膜血管壁●②細胞内液●❽細胞内外で張度差が生じないため,全て細胞外液に分布する等張液●⓿張度が等しくなるように水が移動し,細胞内外全ての分画に分布する自由水●❽血漿アルブミンなど分子量の大きい物質細胞外液組織間液(間質)●❸●❸●❸:監修柴垣 有吾Na+主な物質 の分布体液の分布等張液の分布等張液を投与しても張度は変化しない自由水の分布自由水を投与すると細胞外液の張度が低下し,細胞内外で張度差が発生する●❶●❶輸液療法

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