病7-2_WEB立ち読み
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●脳腫瘍:brain tumor ●原発性脳腫瘍:primary brain tumor ●転移性脳腫瘍:metastatic brain tumor ●脳実質外腫瘍:extra-axial tumor ●脳実質内腫瘍:intra-axial tumor ●定位〔脳〕生検:stereotaxic biopsy ●定位放射線照射(STI):stereotactic irradiation ●定位手術的放射線治療(SRS):stereotactic radiosurgery ●定位放射線治療(SRT):stereotactic radiotherapy ●リニアック(LINAC):linear acceleratorAn Illustrated Reference Guide●脳腫瘍は原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍に大別される.●原発性脳腫瘍は頭蓋内組織や胎生期の遺残組織から発生し,転移性脳腫瘍は他臓器の悪性新生物が脳に血行性に転移して発生する〔p.528〕.●手術による全摘●手術により全摘●脳実質外腫瘍は病理学的に主に良性(圧排性)で,脳実質内腫瘍は主に悪性(浸潤性)である.それぞれ好発部位,伸展様式,増大速度,予後などが異なる.●無理に全部を取り除こうとすると砂山がくずれてしまう(脳機能に障害を与える)可能性がある.●水(腫瘍)はどんどん染みこんでいくため,全てを取り除くのは困難.●砂山をくずさず(脳機496STI(定位放射線照射) 〔p.501〕専用のフレームを用いて頭部を固定し,腫瘍に放射線を集中的に照射する治療法.正確な位置精度が必要なため,CT,MRI,脳血管撮影などの検査結果から照射部位を決定する.SRS(定位手術的放射線治療) 〔p.501〕STIのうち1回だけの照射で治療を行う方法.SRT(定位放射線治療) 〔p.501〕STIのうち何回かに分割して照射を行う方法.LINAC(リニアック,ライナック) 〔p.501〕X線直線加速器.電圧をかけて電子を一直線上で加速させ,高エネルギーX線を発生させる.外転神経麻痺 〔p.498〕外転神経の頭蓋内走行距離は脳神経の中で最も長く,頭蓋底を走る.そのため頭蓋内圧亢進によって圧迫され,麻痺をきたしやすい.定位生検 分割照射 〔p.499〕頭部をフレームで固定し,CT,MRI画像で病変の位置を計測することにより,正確に穿刺を行い,腫瘍組織を採取する方法.定位脳手術装置を用いて行う.脳深部に存在する病変など,通常の開頭術では脳の損傷が大きくなってしまうような場合に有用である.〔p.501〕1回ごとの線量を少なくし,照射回数を増やすことで総線量を増加する照射方法.腫瘍細胞の放射線障害からの回復力は正常細胞よりも弱い.そのため,分割照射を行うことで腫瘍細胞のみにより多くの損傷を蓄積させていくことができる. 頭蓋内のあらゆる組織から発生する 脳腫瘍とは●脳腫瘍とは頭蓋内に発生した新生物の総称である.脳実質だけでなく,髄膜,下垂体,脳神経など頭蓋内に存在するあらゆる組織から発生する.●脳は部位によって担う機能が異なるため〔p.22〕,腫瘍の発生部位によって現れる症状も異なってくる. 由来組織による分類 脳実質外腫瘍と脳実質内腫瘍●原発性脳腫瘍は,由来する組織によって脳実質外腫瘍(髄膜,下垂体など由来)と,脳実質内腫瘍(グリア細胞,神経細胞など由来)に分けられる.脳実質外腫瘍と脳実質内腫瘍は次のようにイメージすると理解しやすいでしょう.砂山に置かれたボール能に障害を与えず)に,ボール(腫瘍)を取り除くことも可能.監 修監 修竹島 秀雄脳実質外腫瘍原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍脳実質外腫瘍腫瘍のイメージ病理所見増殖様式圧排性・緩徐予後出しやすい.➡治癒も可能脳実質内腫瘍砂山に染みこんでいく水脳実質内腫瘍主に良性主に悪性浸潤性・急速出は困難.➡再発しやすい腫瘍脳腫瘍

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