病7-2_WEB立ち読み
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●多発性硬化症(MS):multiple sclerosis ●脱髄:demyelination ●球後視神経炎:retrobulbar neuritis ●MLF症候群:MLF syndrome ●有痛性強直性けいれん:painful tonic spasm ●感覚障害:sensory disturbance ●神経因性膀胱:neurogenic bladder ●自律神経障害:autonomic disturbance ●オリゴクローナルバンド:oligoclonal band ●ミエリン塩基性蛋白(MBP):myelin basic protein ●ステロイドパルス療法:steroid pulse therapy ●インターフェロン(IFN):interferon ●痙縮:spasticityAn Illustrated Reference Guide:ステロイドパルス療法(無効の場合は血液浄化療法)●発症には明らかな人種差があり,白人に多く,黒人や黄色人種には少ない.●また高緯度地域での有病率が高く,北欧や北米に多い.●わが国での有病率は,人口10万人当たり8〜9人程度であり,北欧や北米の1/10である.●脊髄の脱髄病巣が染色の抜けた部分(脱髄斑)として認められる.●慢性期には,アストロサイトの増加による線維性グリオーシスをきたし,肉眼的にも“硬化”した病巣が認められる.■■■■■■hthoff徴候U多発性硬化症の患者では,入浴や運動などによって体温が上昇したときに神経症状が悪化することがある.これをUhthoff徴候という.intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:15~50歳の女性(20歳代後半がピーク) ❷急激な視力低下,かすみ目,中心暗点などをきたすが, ❸複視,眼球の解離性運動障害(MLF症候群), ❹四肢の脱力や筋力低下,腱反射亢進,Bバビンスキー❺有痛性強直性けいれん, ❻しびれ,三叉神経痛,Lレルミット❼排尿障害(神経因性膀胱), ❽運動失調,振戦,眼振,構音障害, ❾多幸感,抑うつ, 上記の症状が,再発と寛解を繰り返す. グリオーシス グラチラマー酢酸塩 フィンゴリモド ナタリズマブ 視覚誘発電位(VEP)誘発電位検査〔p.570〕の1つ.視覚刺激により発生する後頭葉視覚野の電位を調べることで,視覚経路(視神経~視覚野)の異常を検出できる.MSでは,視神経炎を反映して誘発電位の潜時延長を認める.320〔p.320,325〕中枢神経系に炎症などが生じたときに,アストロサイトを中心としたグリア細胞が増加する現象.〔p.320,324〕ミエリン塩基性蛋白(MBP)を構成するアミノ酸からなるポリペプチドの混合物で,免疫応答プロセスを調節する.MSの寛解期に再発予防に用いる.〔p.320,324〕スフィンゴシン1-リン酸受容体の機能を抑制し,リンパ節からのリンパ球の移出を阻害する.その結果,自己反応性のT細胞が中枢神経組織へ浸潤することを抑制し,MSで生じている自己免疫反応を抑制する.MSの寛解期に再発予防,進行抑制のために使用される.〔p.320,324〕α4インテグリンに対するモノクローナル抗体(遺伝子組み換え製剤)である.白血球の血管外への遊走を抑制し,炎症を抑制する.MSの寛解期に再発予防や進行抑制に用いる.G35数週間で軽快し,しばらくして再発する.オリゴクローナルバンド陽性,ミエリン塩基性蛋白(MBP)↑.➡多発性硬化症(MS)と診断する.治療自己免疫反応を抑える薬物療法を中心に,後遺症状への対症療法を行う.●ダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテ⒈急性増悪期 ⒉寛解期の再発予防:IFN-β,グラチラマー酢酸塩,フィンゴリモド,ナタリズマブ⒊神経障害性疼痛 :ガバペンチン,プレガバリン 有痛性強直性けいれん:カルバマゼピン 痙性麻痺(痙縮) :中枢性筋弛緩薬(バクロフェン,ベンゾジアゼピン系薬)中枢神経系の白質のいたるところに炎症性の脱髄性病変が発生し(空間的多発性),多彩な神経症状が再発と寛解を繰り返す(時間的多発性).原因は不明であるが,自己免疫的な機序が発症に関わるといわれている.グリオーシスによる瘢痕・硬化性病変が特徴である.通常,中枢神経系のみが侵され,末梢神経系は障害されない.キストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキスト.キストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキスト.hermitte徴候, abinski徴候(+), MS:multiple sclerosis〈男女比1:2~3〉〈球後視神経炎〉〈眼球運動障害〉〈錐体路障害〉〈感覚障害〉〈自律神経障害〉〈小脳の障害〉〈精神症状〉〈時間的多発〉❿頭部・脊髄MRI検査にて,大小不同の多数の斑状病変を呈する. 〈空間的多発〉⓫髄液検査にて,γ-グロブリン(特にIgG)↑, 〈髄鞘の破壊〉●ダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテ中枢神経の脱髄多発性硬化症における脱髄●多発性硬化症(MS)は中枢神経系(脳・脊髄)の白質に炎症性の脱髄性病変が多発する疾患である.●急性期には,マクロファージ,リンパ球浸潤などの炎症所見を認める.脊髄白質の脱髄病変後方監 修糸山 泰人髄鞘染色(ミエリン塩基性蛋白〔MBP〕の免疫染色)前方多発性硬化症

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