病6-2版_立ち読み
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●疥癬:scabies ●疥癬虫:■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●集団感染:mass infection ●性感染症(STI):sexually transmitted infection ●イベルメクチン:ivermectin●KOH直接鏡検〔p.343〕などで寄生部位から虫体,虫卵が確認されれば確定診断●フェノトリン(外用薬の中では第一選択薬),イオウ剤,クロタミトンなどの塗●この他,内服薬にイベルメクチン〔p.367〕がある.イベルメクチンは虫卵に対しては無効なため,投与から1週間後に再検査し,疥癬虫が確認されたら再投与する.●患者だけでなく,家族や同居者にも問診・検査を行い,疥癬と診断した場合は●胸部,下腹部,腋窩周囲,手首,指間部,外陰部,大腿部●腋窩周囲や外陰部では結節が認められることもある.●掻爬痕を伴うことが多い.約1〜2ヵ月●指間部に細い灰白色で数mmの線状の隆起(疥癬トンネル)がみられる( ).●トンネルの先端に疥癬虫が認められることがある.●非常に強く,夜間に寄生虫性疾患寄生虫/疥癬355An Illustrated Reference Guide写真提供:杏林大学医学部皮膚科第108回医師国家試験A40染が起こる他,性感染症(STI)〔p.166〕としても発症する.疥癬虫潜伏期瘙 痒増強しやすい.※ただし,認知症患者や高齢者では訴えがない場合も多い.診 断となる.治 療布や,衣類や寝具の洗濯・消毒を行う.同時に治療を行う.寄生虫性疾患は一般的に先進国で少なく,開発途上国に多い疾患です.わが国でもかつては様々な寄生虫性疾患が流行していましたが,1950年代以降,経済の発展とともに生活環境が改善され,寄生虫性疾患は激減しました.それと同時に寄生虫性疾患への関心が薄れ,また,医師の寄生虫性疾患に対する診療能力も欠けていきました.しかし,世界的にみれば寄生虫の感染率はやや低下したものの,感染者数は人口の増加とともに増え続けています.わが国でも近年,国際交流の活発化,輸入生鮮食料品の増加,ペットブーム,高齢化による免疫不全疾患の増加,同性愛者の増加などを受けて,様々な形で寄生虫性疾患における問題が生じています.国内・国外を問わない感染例の診療や,世界的な寄生虫性疾患の撲滅のためにも,寄生虫学の重要性を再認識しなければなりません.●● 医療情報科学研究所などの皮膚のやわらかい部位に多発する.疥癬トンネル疥癬虫の虫体虫体わが国における寄生虫性疾患の現状と,寄生虫学の重要性紅色小丘疹点状出血部点状出血部Supplement疥癬●疥かいせん癬は,疥癬虫(ヒゼンダニ)が皮膚角質層に寄生することにより生じる疾患である.●皮膚の直接接触の他,衣類・寝具を介して間接的にも感染する.家族内,院内,保育園,老人ホームなどでの集団感

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