病みえ5-3
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菲■薄■■赤血球 例1)月経,婦人科系疾患による性器出血(子宮筋腫,子宮癌など)例2)慢性消化管出血(消化管潰瘍,●慢性出血により,血液とともに鉄を失う.●胎児や乳児への鉄供給のた●胃酸がないため,Fe3+が可溶化せず,鉄を吸収できない.主な例●骨格筋などの発達に伴い,●鉄の摂取量が少ない.●その他,吸収不良症候群〔p.60W〕,■■■■ピロリ■■■■■〔p.60W〕感染も鉄の吸収障害の原因となる.●貧血:anemia ●鉄欠乏性貧血(IDA):iron defi ciency anemia ●赤芽球:erythroblast ●ヘモグロビン(Hb):hemoglobin ●頭痛:headache ●めまい:dizziness ●動悸:palpitation ●息切れ/呼吸困難:dyspnea ●易疲労感:easy fatigability ●蒼白:pale ●スプーン状爪:spoon nail ●異食症:pica●骨髄では赤芽球が増加し,鉄芽球(鉄染色陽性の赤芽球)は減少する(10%以下).●胃全摘後〔p.69〕,数ヵ月〜3年で胃酸不足による鉄吸収の低下によって鉄欠乏性貧血を発症する.また4〜5年以降では,胃酸と内因子の不足からビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血〔p.66〕を発症するため注意が必要である.●鉄欠乏性貧血の原因は,鉄の供給不足,需要増大,喪失亢進に大別される.●女性では過多月経や性器出血,男性と閉経後の女性では消化管出血による鉄の喪失が最も多い.特に中高年男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では,悪性腫瘍による消化管出血を疑い精査することが必要である.IDA:iron defi ciency anemia胃酸ぐんしゃけつ献血,瀉血監 修鈴木 隆浩供給不足●❶吸収障害例)胃切除,胃酸低下(制酸薬,萎縮性胃炎)●❷摂取不足例)ダイエット,偏食スルー●❶出血●❷医療行為に伴う出血例)血液透析,採血,●❸血管内溶血例)発作性夜間ヘモグロビン尿症〔p.92〕,スポーツ貧血〔p.56W〕喪失亢進消化管悪性腫瘍,痔核など)56スポーツ貧血 〔p.56〕マラソンやテニスの選手などにみられる鉄欠乏性貧血.原因として,大量発汗に伴う鉄喪失,体重コントロールによる鉄摂取不足,トレーニングによる筋肉量増大の他,物理的破壊による血管内溶血が原因のヘモグロビン尿による鉄喪失(行軍ヘモグロビン尿症〔p.82〕)などがある.An Illustrated Reference Guide〔p.57〕中央の色素の薄い部分の面積が正常より広く,厚みも正常より薄いリング状の赤血球.正常赤血球より淡く染まる.ヘモグロビンが低下する疾患(鉄欠乏性貧血やサラセミア〔p.97〕など)でみられる.D50❸スプーン状爪,異食症,舌乳頭萎縮がみられる.❹ときに舌炎,口角炎,嚥下障害がみられる.❺末梢血検査でHb↓,MCV↓,MCHC↓, 血清フェリチン↓,血清鉄↓,UIBC↑,TIBC↑がみられ, ➡鉄欠乏性貧血(IDA)と診断する.治療経口鉄剤を投与するとともに,出血源の検索とその治療を行う.鉄の欠乏によって赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血であり,一般に若年〜中年女性に多い.貧血の中では最も頻度が高く臨床上重要である.急性出血による場合を除いて,鉄欠乏性貧血は緩やかに進行する.そのため症状を自覚しにくいことが多く,発見時には貧血が進行している場合がある.日本では女性の罹患率が10%程度,男性が2%以下とされる.需要増大●❶妊娠,授乳め,需要が増す.●❷小児,思春期の成長ぐん鉄需要が増す.〈貧血症状〉〈組織鉄欠乏〉〈Pプランマーlummer-Vビンソンinson症候群〉〈小球性低色素性貧血〉〈体内鉄の減少〉〈ヘモグロビン合成障害〉+αもっとわかるintro.MINIMUM ESSENCE❶若年〜中年の女性に好発する.❷頭痛,めまい,動悸,息切れ, 易疲労感,眼瞼結膜蒼白などがみられる.❻末梢血塗抹標本で,大小不同の菲ひ薄はく赤血球がみられる. 様々な機序で鉄が不足する 原因鉄欠乏性貧血(IDA)

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