病4-3版_web立ち読み_181106
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●PD-1●PD-L1抗PD-1抗体薬抗PD-L1抗体薬免疫反応の抑制肺腫瘍肺腫瘍総論●発現した受容体にリガンド(PD-L1やCD80/CD86など)が結合することで免疫反応を抑制する.●活性化T細胞の細胞表面に,過剰な活性を抑制するための受容体(CTLA-4やPD-1など)が発現する.抗PD-1抗体薬●PD-1に結合し,PD-L1との結合を阻害する.抗PD-L1抗体薬●PD-L1に結合し,PD-1との結合を阻害する.●免疫チェックポイント阻害薬により,T細胞の抑制を解除し,癌細胞に対する免疫反応が働く.●活性化T細胞に発現した受容体と癌細胞のもつリガンドが結合し,T細胞が抑制される(免疫寛容).●ナイーブT細胞が抗原提示細胞から癌細胞由来の抗原を提示されて活性化する. ●Ⅳ期の非小細胞肺癌の二次治療に適応がある.●PD-L1≧50%のⅣ期非小細胞肺●切除不能な進行・再発の非小細●肝障害●副腎障害●1型糖尿病など●間質性肺炎 ●甲状腺機能障害 ●大腸炎・下痢 ●発熱,疲労 ●ニボルマブ●ペムブロリズマブ●アテゾリズマブ●Ⅲ期非小細胞肺癌の根治的化学●デュルバルマブ●現在,肺癌では抗PD-1抗体薬,抗PD-L1抗体薬が単剤で用いられ,癌細胞のPD-L1の発現割合などにより適応が決定される.●研究進歩の早い分野であり,今後は適応や使用法が大きく変化する可能性が高い.●■■■■■■■■融合遺伝子:EML4-ALK fusion gene ●免疫チェックポイント阻害薬:immune checkpoint inhibitor ●免疫チェックポイント:immune checkpoint ●表面抗原分類(CD):cluster of diff erentiation ●主要組織適合遺伝子複合体(MHC):major histocompatibility complex ●PD-1:programmed cell death-1 ●PD-L1:programmed cell death-ligand 1 ●細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4):cytotoxic T-lymphocyte antigen-4CTLA-4CTLA-4CTLA-4TTT…TTTTT PD-1PD-L1PD-1PD-L1PD-1PD-L1PD-L1PD-1…CTLA-4●免疫チェックポイントによる抑制は,癌細胞が免疫寛容〔p.242〕を獲得するうえで重要な機序である.●免疫チェックポイント阻害薬は,免疫チェックポイントを阻害し,免疫反応を脱抑制(抑制を解除)することにより,●免疫チェックポイント阻害薬は自己免疫抑制を非特異的に脱抑制するため,T細胞が正常細胞を攻撃することによる副CD28CD80/CD86MHCクラスⅠ分子癌は敵!CD80/CD86えっ!?はーい…そうはいかないぞ!抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブは根治切除不能な悪性黒色腫が適応ですが,非小細胞肺癌に対しての有効性も示されつつあります.敵はどこだ!殺すぞ!まあまあ,攻撃しないでよ正常細胞癌細胞主な副作用受容体とリガンドが結合備考癌で初回治療に用いられる.胞肺癌の二次治療に適応がある.放射線療法後に適応がある.まあ落ち着いて医師241An Illustrated Reference GuidePD-L1PD-1 免疫を抑制する機構を解除する 免疫チェックポイント阻害薬●免疫チェックポイントとは,T細胞などの免疫細胞上にある受容体やそのリガンド〔p.239〕が結合することによって自己免疫を抑制し,細胞性免疫の活性化を調整する機構である.活性化T細胞による殺癌細胞効果を高め,癌細胞を免疫応答で排除しようとするものである.作用を生じる頻度が高い.ナイーブCD8陽性T細胞活性化抗原抗原提示細胞(樹状細胞など)●ナイーブT細胞は,抗原提示細胞から抗原提示を受けるとともに,CD80/CD86などによる共刺激〔p.242〕を受けると活性化する.免疫チェックポイント阻害薬作用癌細胞由来の抗原薬物一般名免疫チェックポイント(T細胞での例)活性化T細胞受容体 リガンド免疫チェックポイント分子標的分子

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