病4-3版_web立ち読み_181106
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呼吸器感染症肺結核〔症〕●結核菌は細胞内で増殖する.●結核菌はMφを突き破って生存する.●T細胞に抗原を提示●感作T細胞の産生●Mφの一部は類上皮細胞やLanghans巨細胞に変化し,寄生されたMφごと結核菌を乾酪性肉芽腫〔p.106〕の中に閉じこめようとする.●Mφが感作T細胞の分泌するサイトカインによって活性化され,結核菌に対する殺菌能が高まる.●閉じこめにより結核菌への酸素供給を絶ち,死滅させるが一部は生存する.●壊死した中心部が経気管支的に排出され,空洞ができる.●空洞に結核菌が増殖すると,そこから経気道的に進展する他,他人への感染源ともなる.Mφによる結核菌の閉じこめ●乾酪壊死〔p.106〕を起こした病変(乾酪壊死巣)は,線維化を経て,最終的には瘢痕組織となる.●〔結核の〕初期変化群:primary complex ●マクロファージ(MΦ):macrophage ●肺門リンパ節:hilar lymph node ●インターフェロン-ガンマ(IFN-γ):interferon-γ ●乾酪壊死:caseous necrosis ●空洞:cavity ●誘導気管支:drainage bronchus●空洞化した部位は結核菌繁殖の温床となる.●閉じこめの各段階の所見は,胸部X線像,胸部CT像,病理組織像で観察することができる.パクパク●Mφが血管内から遊走して結核菌を貪食する.わら結核菌細胞内寄生うじゃうじゃ類上皮細胞肉芽腫形成Langhans巨細胞ラングハンス105An Illustrated Reference Guide 初感染時の病態 初期変化群●肺胞に到達し定着した結核菌は,初感染病巣を形成する.一部はリンパ行性に運ばれ,所属する肺門リンパ節に病巣をつくる.●初感染病巣とリンパ節の病巣をあわせて,初期変化群という.●多くの初期変化群は,細胞性免疫の獲得とともに治癒する. 空洞化すると繁殖の温床となる 結核菌の閉じこめ●結核菌はMφによって乾酪性肉芽腫に閉じこめられ,最終的には低酸素となって死滅するが,一部は分裂を停止した持続生残菌として生存する(pパーシスター●病巣が大きい場合などは,中心部の乾酪壊死物質が排出されて,気管支と交通する空洞が形成される.また,病巣と交通する気管支を誘導気管支という.わら肺胞の初感染病巣マクロファージ(Mφ)細胞性免疫が作用サイトカイン(IFN-γ)ersister).うじゃうじゃ肺門リンパ節の病巣樹状細胞乾酪性肉芽腫の形成成功瘢痕組織初期変化群失敗空洞の形成誘導気管支空洞病態生理

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