病3-5版_web立ち読み用
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●脳梗塞:cerebral infarction ●閉塞性動脈硬化症(ASO):arteriosclerosis obliterans ●易感染性:compromised ●失明:blindness/visual loss ●腎不全:renal failure ●無自覚性低血糖:hypoglycemia unawareness ●勃起障害(ED):erectile dysfunction ●糖尿病足病変:diabetic foot ●壊疽:gangrene ●NPH〔インスリン〕:neutral protamine Hagedorn insulin ●1型糖尿病:type 1 diabetes mellitus ●自己免疫:autoimmunity ●2型糖尿病:type 2 diabetes mellitus糖代謝異常糖尿病●インスリン非依存状態であれば境界領域まで改善することもある●緩徐に進行し,自覚症状がないまま長期間経過することが多い●改善することなく進行することが多い●多くは急激に症状が出現●硝子体出血や牽引性網膜剝離をきたし,視力が低下する.放置すると失明に至る.わが国の失明原因の上位を占める.●高浸透圧高血糖症候群が多い●糖尿病ケトアシドーシスが多い●糸球体の細小血管が障害され,進行すれば慢性腎不全となる.放置すると透析導入,もしくは腎移植をしなければならない状態になる.わが国の透析導入原因疾患の第1位.●1型・2型ともに発症には遺伝因子が関わっているが,その関与の程度は2型糖尿病の方が強い.1型糖尿病と2型糖尿病は発症機序は異なるものの,臨床症状は類似しているため鑑別が困難なことも少なくありません.●末梢神経障害が進行すると,温度や痛みを感じにくくなり,怪我や熱傷の原因となる.比較的早期から出現し頻度も高い.また自律神経障害も生じる.●神経障害や末梢血管病変,感染が関与して,潰瘍・壊疽へ進行し,最終的には足を切断することになる.●大血管の動脈硬化により,虚血性心疾患・脳梗塞になりやすく,重篤な障害が残ったり,死に至ったりする.●急激に高血糖となることで意識障害,昏睡となり,ときには死に至る. 成因による分類 1型糖尿病と2型糖尿病●糖尿病は成因により1型糖尿病,2型糖尿病,その他の特定の機序・疾患による糖尿病,妊娠糖尿病の4つに分類される〔p.16〕.ここでは主要な病態である1型糖尿病,2型糖尿病について解説する.1型糖尿病と2型糖尿病の比較1型糖尿病割合患者の特徴成因家族歴インスリン分泌障害インスリン抵抗性糖代謝異常の進行症状(口渇,多飲,多尿,体重減少)の進行昏睡インスリンの必要性治療あることに注意する〔p.45〕.2型糖尿病およそ90%以上主に中高年正常〜肥満体型が多い遺伝因子・生活習慣高頻度にあり軽度〜中等度(様々)あり(程度は様々)重症化すれば依存性となる非依存性が多いインスリン非依存状態食事療法運動療法*経口血糖降下薬**インクレチン関連薬(コントロール不良な場合)インスリン療法(なおコントロール不良な場合) *極端に血糖コントロールが悪い状態など,運動療法が禁忌となる状態が糖尿病専門医An Illustrated Reference Guide13 著しくQOLを下げる 主な糖尿病合併症**1型の場合は基本的に経口血糖降下薬は無効〔p.18〕. ただし,α-グルコシダーゼ阻害薬は有効な場合もある.およそ5〜10%主に小児〜思春期正常〜やせ自己免疫・遺伝因子など少ない高度なし最終的に依存性となる初期は非依存性のこともあるインスリン依存状態インスリン療法(頻回注射:3〜4回/日)食事療法運動療法*糖尿病神経障害〔p.78〕糖尿病足病変〔p.82〕糖尿病網膜症〔p.86〕糖尿病腎症〔p.90〕虚血性心疾患,脳梗塞〔p.76〕糖尿病昏睡〔p.70〕

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