病2-5版_web立ち読み_210204
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●静脈弁:venous valve ●大腿静脈:femoral vein ●大伏在静脈(SV):saphenous vein ●小伏在静脈:small saphenous vein ●表在静脈:superficial vein ●深部静脈:deep vein ●穿通枝:perforating veins ●一次性静脈瘤:primary varicose veins ●二次性静脈瘤:secondary varicose veins ●深部静脈血栓症(DVT):deep vein thrombosis ●何らかの原因で静脈弁が機能不全に陥ると,静脈血の逆流が生じ,静脈が拡張・蛇行する.●静脈瘤は一次性静脈瘤(原発性)と二次性静脈瘤に分けられ,多くは一次性である.●深部静脈の血栓閉塞などにより,静脈血は穿通枝と表在静脈を迂回する(穿通枝の逆流➡表在静脈へ流入).このため側副血行路として働く表在静脈が拡張する.❶弁不全●表在静脈または穿通枝の弁不全により,静脈血が表在静脈を逆流するために拡張する.穿通枝❹拡張・瘤化❹拡張・瘤化病態生理●深部静脈血栓症(DVT)〔p.364〕●長時間の立位●妊娠●肥満●下肢静脈瘤では静脈エコーを用いて診断を行うのが最も標準的である.●カラードプラやパルスドプラを用いて,静脈血の逆流を確認する.●伏在静脈と大腿静脈の接合部の描出が基本である.●一次性静脈瘤は女性に多い(男性の2~3倍).原因●大伏在静脈が大腿静脈に合流する部位(SFJ:sapheno-femoral junction)が描出されている.●大伏在静脈➡大腿静脈方向に血液が流れており,正常である.正常下肢静脈瘤●大腿静脈➡大伏在静脈方向への逆流が確認でき,静脈弁の機能不全が示唆される.静脈瘤361静脈弁の機能不全病態生理と原因正常●弁の機能が保たれており,静脈血の逆流は起こらない.逆流が確認できる静脈エコー大腿静脈大伏在静脈小伏在静脈大腿静脈から大伏在静脈への血流深部静脈表在静脈逆流逆流静脈弁大伏在静脈大腿静脈速度波形でも逆流がみられる一次性静脈瘤❷表在静脈の逆流❸表在静脈内圧⬆静脈圧上昇により弁不全が生じやすい大伏在静脈大腿静脈静脈弁二次性静脈瘤❶深部静脈の閉塞❷側副血行路になる血栓❸表在静脈内圧⬆逆流正常でも多少逆流することはありますが,逆流時間が0.5秒以上あれば異常と考えます.ちなみにこの症例では2.35秒にわたって逆流がみられました.

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