病2-5版_web立ち読み_210204
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●左室流出路:left ventricular outfl ow 〔tract〕 ●閉塞性肥大型心筋症(HOCM):hypertrophic obstructive cardiomyopathy ●拡張相肥大型心筋症(D-HCM):dilated phase hypertrophic cardiomyopathy ●心尖部肥大型心筋症(APH):apical hypertrophic cardiomyopathy ●心室中部閉塞(MVO):midventricular obstruction ●僧帽弁閉鎖不全〔症〕/僧帽弁逆流〔症〕(MR):mitral regurgitation ●錯綜配列:disarray ●しかし近年では,HCMの基本病態は心筋の肥大であり,その肥大部位によって表現型が異なってくるため,新たに5つに分類されるようになった.●表の4つの他,肥大型心筋症の経過中に,肥大した心筋壁が菲薄化し心内腔の拡大を伴う左室収縮力低下をきたす,拡張相肥大型心筋症(D-HCM)もある.D-HCMの予後はHCMと比べて不良とされ,心臓移植の適応となる〔p.108〕.●症状は,酸素需要の増大する ※正常心筋細胞の組織像はp.12を参照のこと.●心室中部で狭窄を認める.●心尖部に限局した肥大を認●拡張期の左室造影で内腔が●左室流出路で狭窄を認める.●左室流出路で狭窄(30mmHg以上の圧較差)を認めない.心筋疾患●心筋の肥大により,酸素需要量が増え,相対的な心筋虚血となるため生じる.●不整脈により生じる.●拡張障害による心拍出量の低下,また心筋変性による不整脈により生じる.●突然死をきたす患者の既往●心拍出量の低下,肺うっ血により生じる.●閉塞性肥大型心筋症(HOCM)〔p.252〕では,僧帽弁閉鎖不全(MR)〔p.219〕により増悪する.●無症状のこともあるが,多くは病態を反映して様々な症状を呈する.●不整脈による突然死が少なく肥大型心筋症(●HCM患者の訴えとしHCM) 肥大部位によって5つに分けられる 分類●HCMは,その形態により大きく5つに分類される.●以前は,左室流出路の狭窄の有無によって非閉塞性肥大型心筋症(HCM) 心肥大による拡張障害が原因 症状●HCMは,心肥大とそれに基づく左室拡張障害が基本的な病態である. 心筋細胞が肥大している 病理組織像●光学顕微鏡所見では,心筋細胞の肥大,樹枝状分枝,渦巻状などの錯さくそう綜配列〔p.248〕,心筋変性や奇妙な形(bizarrely shaped)に肥大した心筋細胞,間質の線維化がみられる.●錯綜配列は,肥厚した心室中隔を中心に分布し,また細と閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の2つに分類されていた.〔非閉塞性〕肥大型心筋症(HCM)閉塞性肥大型心筋症(HOCM)心尖部肥大型心筋症(APH)心室中部閉塞性心筋症(MVO)狭窄なしない.労作時に出現しやすい.胞内の筋原線維レベルでも認められる.249An Illustrated Reference Guide狭窄ありめまい・失神症としても重要.呼吸困難心尖部める.スペード型になる.間質の線維化正常像(胸骨左縁長軸断面像)右室大動脈心室中隔左室乳頭筋左房後尖前尖大動脈弁僧帽弁狭窄あり胸痛て非常に多い.動悸心筋細胞の肥大錯綜配列

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