病みえ15
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●身体計測:anthropometry ●成長曲線:growth curve ●頭囲:head circumference ●ワクチン接種/予防接種:vaccination ●新生児集中治療室(NICU):neonatal intensive care unit3歳以上16〜2470〜1103歳未満20〜3075〜130直腸温36.0〜38.5,腋窩温35.4〜37.9●啼泣,発熱など患児の状態により測定値は変動するため,数値だけではなく●身体計測とは,身長,体重,頭囲などの計測を総称したものであり,診察の際に行われる.●身長は全身発育,体重は栄養状態の指標として用いられる.頭囲は,脳の発育と深く関係する.●測定後,成長曲線〔p.9〕を作成し,これまでの経過と比較して発育評価を行う.●また,測定値を標準値と比較し,体格の大小,栄養の過不足を評価する.*ここでは大まかな目安を示した.乳幼児は肺胞数が少ないため,肺胞表面積が小さく,1回換気量が少ないため,呼吸数を多くすることで換気を維持しています.また,年齢が低いほど組織の酸素需要量が多い一方,心拍出量が少ないため,脈拍数も多くなります.小児科総論診察●前方は眉の直上,後方は後頭部の最も突出したところを通る周径を測定する.●着衣を取り,立位で測定する.●立位が保てない乳幼児は,●仰臥位法と立位法がある.●2歳未満は仰臥位法,2歳以上は立位法で測定する.●3歳までは定期的に測定する.●同居家族,集●家族の病歴・死因などから遺伝的素因が関わる疾患を推定する.●問診(病歴聴取)は,主訴や現病歴などの情報を詳細に聴取することであり,適切な診●ある程度会話ができる児でも,正確に答えることは難しいため,主に保護者へ問診を行う.●母体の妊娠・出産歴,成長・発達歴,予防接種歴なども聴取する.●過去に罹った疾患を年齢順に確認する.●適切な時期に予防接種が行われているかを確認する.●計測の結果から成長曲線を作成し,体格指数も計算する.●母乳栄養や人工栄養の与え方,離乳食の進み具合,偏食・過食の状況などを聴取する.●運動,言語,社会性などの発達を確認する.47An Illustrated Reference Guide30〜6090〜18070/40NICU入院歴がある.25〜4580〜16090/60≧95(ただし,出生直後は≧90,早産児は85〜95とされる)14〜2060〜90100/60110/6012〜2060〜9036.0〜37.0130/85 年齢により異なる バイタルサインの基準値 発育評価に重要 身体計測 主に保護者から聴取 問診(病歴聴取)他科でも行われる問診その他の症状や所見などとあわせて総合的に判断する.乳児(新生児を除く)直腸温36.0〜38.5立位法体重計にのせて測定する.断に結びつけるうえで重要な過程である.既往歴服薬・アレルギー歴●既往歴に対する服薬歴,アレルギー歴を聴取する.例:アレルギーがあり,卵を除去している.哺乳歴例:ある時期からの体新生児呼吸数(/分)脈拍数(/分)体温(℃)血圧(mmHg)*SpO2(%)身長仰臥位法主訴・現病歴●発症の時期,状態,経過などを詳しく聞く.例:3日前から例:1歳10ヵ月時にRSウイルス性細気管支炎で入院続く発熱小児科特有の追加問診母体の妊娠・出産歴●過去の妊娠歴,不妊治療歴,妊娠経過,分娩・出生時の状況,マススクリーニング結果,新生児黄疸歴の有無などを確認する.例:2〜3時間ごとに母乳を与えている.例:32週の早産児で 幼児体重家族歴団生活の有無,周囲で流行する感染症の有無を聴取する.例:突然死の例:保育園で家系成長・発達歴予防接種歴例:予防接種はまだ一切行っていない重増加不良学童成人頭囲額側後頭部側生活歴システムレビュー●主訴以外も含め,全身状態や臓器ごとの症状の有無を系統的に聴取する.例:食欲不振あり,体重変化なし,鼻水ありなどインフルエンザが流行小児では,システムレビューでの陰性項目(異常がない項目)の確認が特に診断上重要です.

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