病みえ15
18/34

●気道炎症:airway infl ammation ●アレルゲン:allergen ●獲得免疫:acquired immunity ●2型自然リンパ球(ILC2):group 2 innate lymphoid cell ●自然免疫:innate immunity ●Th2細胞:type 2 helper T cell ●TSLP:thymic stromal lymphopoietin ●インターロイキン(IL):interleukin ●好酸球:eosinophil ●主要塩基〔性〕蛋白(MBP):major basic protein ●リモデリング:remodeling ●気道過敏性:airway hyperreactivity/airway hyperresponsiveness ●気流制限:air fl ow limitationAn Illustrated Reference Guide●気道炎症が起こる機序には,アレルゲンに特異的なTh2細胞が活性化される獲得免疫系と,アレルゲンなどの刺激により2型自然リンパ球(ILC2)が活性化される自然免疫系の2つの経路が関与している.●喘鳴や呼吸困難といった症状●2型炎症反応により上皮細胞や炎症細胞などから分泌される種々のサイトカインや●気道の狭小性●気道粘液の過分泌など●易感染性2型炎症反応●こうしたTh2細胞やILC2からなる炎症は2型炎症反応とよばれる.獲得免疫系自然免疫系●さらに,気道炎症による気道リモデリングや,気道の狭小性といった小児特有の因子,遺伝因子なども気道過敏性の亢進に関与すると考えられている.慢性の気道炎症422TSLPIL-33など 刺激による気道収縮のしやすさ 気道過敏性の亢進●刺激に対する気道の収縮しやすさを気道過敏性という.●喘息患児では慢性の気道炎症により,気道過敏性が亢進し炎症性メディエーターの作用で気道炎症が起こる.上皮細胞樹状細胞アレルゲン抗原提示ウイルスや大気汚染物質正常平滑筋気道上皮細胞杯細胞は,この気流制限により生じる.Th2細胞IL-4,IL-13などIgEILC2IL-4,IL-13など形質細胞リモデリング粘膜下腺過形成上皮下線維増生平滑筋肥大内径の狭窄上皮細胞の杯細胞化生正常気道過敏性⬆※気道リモデリングが存在するとさらに気道過敏性が亢進する.MBPなどマスト細胞結合ヒスタミンなど好酸球ている.気道のリモデリング小児特有の因子遺伝因子(先天性)気管支喘息患児平常時(非発作時)環境因子可逆的変化れんしゅくさかずき*杯細胞,粘膜下腺細胞の増生と気道刺激亢進による.:活性化気道炎症平滑筋の収縮(攣縮)粘膜・粘膜下の浮腫気道粘液の分泌亢進*気道上皮細胞の破壊・剝離気道過敏性の亢進増悪時(発作時)気道の狭窄●平滑筋の収縮●粘膜の浮腫●気道粘液分泌⬆気流制限 好酸球性の炎症 気道炎症気道炎症の病態 不可逆的な変化 気道リモデリング●慢性的な炎症によって傷害された気道では,不完全な修復により不可逆的な組織構造の変化(リモデリング)が引き起こされる. 閉塞性換気障害の病態 気流制限●喘息患児では気道過敏性が亢進しており,アレルゲンや感染などの環境因子によって気道が狭窄し,可逆的な気流制限をきたす.

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る