病みえ15
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●ウィルムス腫瘍/腎芽〔細胞〕腫:Wilms tumor/nephroblastoma ●腎芽細胞:nephroblast ●腹痛:abdominal pain ●高血圧〔症〕:hypertension ●血尿:hematuria ●占拠性病変(SOL):space-occupying lesion ●ビンクリスチン(VCR):vincristine ●アクチノマイシンD:actinomycin D ●ドキソルビシン(DXR):doxorubicin ●無虹彩症:aniridia ●停留精巣:cryptorchid/retentio testis/undescended testis ●尿道下裂:hypospadia ●水腎症:hydronephrosisWilms●肺への血行性転移が多い.●静脈性腎盂造影では腎杯破壊,腎盂変形を認める.●本症の約10%に形成異常(無虹彩症,停留精巣,尿道下裂,水腎症,片側肥大症,●がん抑制遺伝子〔p.222W〕である■■■,■■■の異常がしばしば認められる.腫瘍肝芽腫/腫瘍(腎芽腫)⬆血●その他,腹部膨満,腹痛,高血圧,顕微鏡的血尿などを呈することもある.●被膜をもつ境界明瞭な充実性の腫瘍(▶)が認められる.腫瘍の内部は不規則に造影されている.●腹部超音波は非腫瘍性腫瘤の除外,ドプラ超音波検査は●造影CT・MRIは腫瘍の範囲や,肺転移巣の同定に有●腫瘍内部に出血,壊死,囊胞などの所見を伴うことがある.221An Illustrated Reference Guide■■■(11p13)異常が関与する先天性疾患.Wilms腫瘍(30〜45%に発症),無虹彩症,泌尿生殖器形成異常(尿道下裂,停留精巣),知的障害を主徴とする.C64第98回医師国家試験 A39➡Wウィルムスilms腫瘍(腎芽腫)を考える.治療腫瘍摘出が基本(被膜があるため摘出しやすい).●腫瘍摘出+術後化学療法(ビンクリスチン+アクチノマイシンD)※進行例や予後不良例ではドキソルビシンを加えた3剤併用療法を行い,後腎の腎芽細胞(発生過程で腎臓の原基となる細胞)が腫瘍化したもの.好発は5歳頃までで,特に3歳以下に多くみられる.泌尿器系を中心とした形成異常を合併する頻度が高い.5年生存率は90%以上と予後は良好である.四肢変形など)の合併を認める.悪性化・増大後腎芽組織intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:5歳頃まで❷ 表面平滑,境界明瞭な弾力性のある腹部腫瘤(約80%),腹痛,高血圧(約25%),血尿(約20%)を認める.❸腹部超音波・CTで,腎臓部に一致した内部構造不整な占拠性病変(SOL)を認める.❹病理検査で,小型の腫瘍細胞の密な増殖がみられる.放射線療法も併用する(放射線感受性は高い).Wilms tumor 腹部腫瘤で発見 症状・所見●本症は腎臓の原基である後腎の腎芽組織が腫瘍化したものである.●通常,無症候性で,増大してから腹部に触れる表面平滑な腫瘤として発見されることが多い. 被膜をもつ充実性腫瘍 画像所見●画像検査は他の腹部腫瘍との鑑別,転移の有無などを確認し,治療方針の決定に用いられる.血管への腫瘍進展の有無を確認するのに有用である.用である.表面平滑な腹部腫瘤腹部膨満,腹痛腹部造影CT高血圧(腎動脈圧迫などに起因するレニン⬆による)顕微鏡的血尿(泌尿器の形成異常による)巨大な充実性腫瘍監修菱木 知郎WAGR症候群Wilms腫瘍(腎芽腫)

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