病14-1版_1刷
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●白癬:tinea/dermatophytosis ●皮膚糸状菌:dermatophyte ●ケラチン:keratin ●手白癬:tinea manuum ●足白癬:tinea pedis ●体部白癬:tinea corporis ●股部白癬:tinea cruris ●爪白癬:tinea unguium ●頭部白癬:tinea capitis ●ケルスス禿瘡:kerion celsi ●白癬菌性毛瘡:sycosis trichophytica/tinea barbae ●白癬菌性肉芽腫:granuloma trichophyticum ●テルビナフィン:terbinafi ne ●ブテナフィン:butenafi ne ●KOH法:KOH examinationAn Illustrated Reference Guide爪毛 *炎症性白癬と深在性白癬をまとめて深在性白癬とすることもある.**無毛部に生じた白癬を手白癬,足白癬といい,手背,足背は体部●白癬は,皮膚糸状菌である白癬菌属(■トリコフィトン(■エピデルモフィトン■■■■■■■■■■■■■属),小胞子菌属(■ミクロスポルム症である.●日本でよくみられるのは白癬菌属の■■■■ルブルム であり,この2種で原因の95%以上を占める.●病変の深さと感染する部位により,次のような病型に分類される.●有毛部と爪以外の浅在性白癬に対しては,テルビナフィン,●有毛部や爪の白癬,炎症性・深在性白癬,難治性の症例(角質増殖型の足・手白癬も含む)に対しては,イトラコナゾール,テルビナフィンなどの抗真菌薬の内服療法を行う.手**足**体部股部〔p.271〕〔p.273〕〔p.273〕●Sabouraudブドウ糖寒天●白癬では綿毛状または粉末状のコロニーを形成する.●白癬の確定診断には,病変部から皮膚糸状菌を検出することが必要である.●真菌の検出には水酸化カリウム(KOH)を用いた直接鏡検法(KOH法)〔p.38〕または真菌培養●鱗屑,爪,毛髪など病変部の組織を採取し,KOHで角層を溶解後,観察する.●3〜4μm幅の隔壁をもつ糸状の菌糸や,数珠状の分節胞子を認めれば白癬と診断できる.●隔壁を有する糸状の菌糸を認める.●その他,頭部白癬ではWウッドood灯検査〔p.38〕が診断や治療判定に用いられる.intro.270白癬菌性毛瘡 〔p.270〕顔面の髭の生える部分に生じた強い炎症を伴う白癬.ステロイドを誤用していた中年男性に好発する.白癬菌性肉芽腫 白癬疹 〔p.270〕皮膚糸状菌が掻破などにより真皮に入りこみ,真皮,皮下組織で増殖して肉芽腫や膿瘍をつくるもの.ステロイド外用薬の誤用・乱用や,宿主の免疫不全を背景に発症する.〔p.273〕白癬の悪化時に,白癬菌由来の物質に対するアレルギー反応により対称性に小水疱,紅斑,丘疹が急激に多発するもの.原発の白癬病巣の治療により軽快する.〜 B35.4B35.6白癬とは,皮膚糸状菌(主に白癬菌属)による感染症である.皮膚糸状菌はケラチン〔p.5〕を栄養源とするため,ケラチンの豊富な皮膚角層,爪,毛に感染する.感染部位によって足白癬,爪白癬,手白癬,体部白癬,股部白癬,頭部白癬といった病型に分類される.病変の深さ菌の感染が角層や爪,毛に限局するもの浅在性白癬の炎症が真皮(毛包)まで及んだもの真皮や皮下組織に感染したもの手白癬爪白癬法を行うが,通常は鏡検法で診断可能である. 全身のどこにでも感染しうる 白癬とは 確定診断に必須 検査■■■■■■■■■■■属),表皮菌属■■■■■■■■■■属)による感染■■■■■と■■■■インタージギターレ■■■■■■■■■■■■病型手白癬 足白癬(水虫) 〔p.271〕体部白癬(ぜにたむし) 〔p.271〕股部白癬(いんきんたむし)〔p.271〕爪白癬 〔p.272〕頭部白癬(しらくも) ケルスス とくそうCelsus禿瘡 白癬菌性毛瘡白癬菌性肉芽腫真菌培養法綿毛状のコロニーサブロー監修望月 隆〔浅在性〕白癬炎症性白癬*深在性白癬頭部白癬(しらくも)股部白癬(いんきんたむし)足白癬(水虫)※最も多い直接鏡検法(KOH法)感染部位皮膚角層毛髪髭部真皮・皮下脂肪組織白癬に分類される.治療ブテナフィンなどの抗真菌薬の外用療法を行う. 培地で培養を行う.白癬B35.0

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