病13-1版_web立ち読み_201201
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●乳様突起部(→)周囲に皮下出血がみられる.頸部・顔面疾患●側頭骨に骨折線(→)があり,乳突蜂巣に髄液貯留がみられる.側頭骨骨折●空気を示す低吸収域がみられ,気脳症をきたしている(頭蓋底骨折).●側頭骨骨折の治療は,❶頭蓋内病変に対する治療,❷感染予防,❸頭蓋●側頭骨に骨折線(→)を認める.*耳漏が1週間以上続く場合,髄膜炎の危険があるため手術を行う.●脳浮腫:brain edema ●脳腫脹:cerebral swelling ●脳ヘルニア:cerebral hernia ●抗菌薬:antimicrobial agent●❸頭蓋内病変以外の症状のうち,感音難聴を伴うめまいと受傷直後から出343An Illustrated Reference Guide乳様突起気脳症のCT像水平断●❸頭蓋内病変以外に対する治療めまい感音難聴(+)➡試験的鼓室開放術を行い, 感音難聴(−)➡経過観察伝音難聴➡3ヵ月の経過観察後, 顔面神経麻痺必要に応じて鼓室形成術受傷直後から出現した例➡顔面神経減荷術 など遅発例➡経過観察髄液耳漏➡経過観察(1週間程度*)外耳〜中耳**の出血➡経過観察(1ヵ月程度)くも膜下に流入した空気必要に応じて瘻孔閉鎖術3D-CT像**中耳の出血が耳管経由で排出されない場合,鼓膜切開で排出する.写真提供:宮坂 佳男写真提供:森本 雅徳 耳介後部の皮下出血 Battle徴候●側頭骨骨折の受傷後数日して,乳様突起部周囲が赤黒く変色することをいう.●側頭骨錐体部骨折による皮下出血のた CTが第一選択 画像検査●頭部外傷において,頭部CTは第一選択の検査である.●単純CTは気脳症〔p.128〕や出血性病変の有無,その周囲の脳浮腫・脳腫脹,脳ヘルニア徴候などの状態の把握に役立つ.●また,3D-CT像では,より詳細な骨折の評価だけでなく,顔面骨や副鼻腔といった他の頭蓋骨骨折などの評価も行える.CT像 多岐にわたる症状に対応する 治療めに起こる.水平断●❶頭蓋内病変に対する治療●開頭血腫除去術〔病⑦P.536〕など●❷感染予防●抗菌薬投与 など内病変以外に対する治療,の順で行う.現した重度の顔面神経麻痺に対しては,早急な治療が必要である.

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