病13-1版_web立ち読み_201201
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■ ■●両側性で正中位で固定した場合●声帯の固定位置によっては無症状のこともある.喉頭疾患反回神経麻痺●両側声帯が正中位で固定さ●患側の声帯が閉鎖できず,健側の●患側は外転位で固定されており,●原因疾患の精査と治療●約6ヵ月の保存療法*(音声治療,ビタミンB12,末梢血管拡張薬)●次に,喉頭麻痺の原因となっている疾患の治●発症後6ヵ月以内は回復が期待できるため,*6ヵ月以内であっても誤嚥を伴う場合は手術療法が必要である.**患者の年齢や侵襲などを考慮して決定する.前後あ後前●喉頭内視鏡:laryngeal endoscopy ●気管切開:tracheo〔s〕tomy ●音声治療:voice therapy ●生活の質(QOL):quality of life●音声治療では,努力して声を出すことで健側声帯の代償的な運動による声門閉鎖を促す.●保存療法を行っても症状の改善がなく嗄声や呼吸困難が持続する場合には,手術療法を行いQOLの改善を図る.症状●片側性で正中位以外で固定した➡発声時・嚥下時に声門が閉鎖場合できない.気息性嗄声患側反回神経麻痺改善改善なし声帯内注入術**声帯内方移動術**反回神経息が漏れる…?➡吸気時でも声門が開かない.誤嚥吸気時呼吸困難両側性反回神経麻痺吸気時れ,気道が閉塞している.両側性(−〜+)(++)呼吸困難気道確保(気管切開)改善改善なし声門開大手術息が吸えない!片側性反回神経麻痺(左)吸気時健側弓状弛緩を認める.療を行う.保存療法(主に音声治療)を行う.声帯の固定位置開大位正中位中間位傍正中位発声時健側患側声帯が過内転している.片側性311An Illustrated Reference Guide 声帯の固定位置により様々 症状●声帯は吸気時に開き,発声時・嚥下時に閉じる.反回神経麻痺によってこの開閉がスムーズに行われなくなると,嗄声や誤嚥,呼吸困難などの様々な症状をきたす.●麻痺している声帯の固定位置は,正中位,傍正中位,中間位,開大位に分けられ,声門の開き具合によって症状の程度が異なる. 声帯運動が確認できない 喉頭内視鏡像●喉頭内視鏡では腫瘍や瘢痕などの異常が認められず,声帯の固定が観察される. 片側性と両側性で分けて考える 治療方針●反回神経麻痺の治療の前に,まず片側性か両側性かを喉頭鏡や喉頭内視鏡を用いて判断する.両側性で呼吸困難がみられる場合には気道確保のため,気管切開を行う.

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