病13-1版_web立ち読み_201201
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●喫煙●加齢●様々な程度の異型細胞が増殖し,扁平上皮癌となる.●喫煙,加齢などが契機となり,扁平上皮化生が生じる.●喉頭組織の大部分は多列線毛上皮に覆われている.●喉頭癌:laryngeal cancer ●扁平上皮癌:squamous cell carcinoma ●重複癌:double cancer/multiple cancer ●嗄声:hoarseness/hoarse voice ●咽喉頭異常感:globus sensation/globus pharyngeus/pharyngolaryngeal discomfort/lump sensation ●喘鳴:stridor ●呼吸困難:dyspnea ●リンパ節腫脹:lymph node enlargement ●声帯固定:vocal fold fi xation/vocal cord fi xation ●線毛上皮:ciliated epitheliumAn Illustrated Reference Guide●確定診断は,生検による病理組織学的検査によって行う.●病変や治療によって嚥下,発声に関わる喉頭が障害されやすいため,代用音声〔p.308〕●喫煙,加齢などが誘因となり多列線毛上皮の扁平上皮化生が生じ,その後,異型細胞が増殖することにより扁平上皮癌が生じると考えられている.2,3週間続く嗄声,喉の違和感を訴える60歳以上の長期喫煙者男性を診た場合,喉頭癌を疑いましょう.耳鼻咽喉科医第98回医師国家試験A16●核異型の強い細胞が集簇した癌真珠(→)を認める.監修藤本 保志扁平上皮など異型・癌喉頭癌304狭帯域光観察(NBI) 〔p.304〕狭帯域フィルターを用いてヘモグロビンに吸収されやすい短波長の光を照射し,粘膜表層の毛細血管・粘膜模様を強調する方法.腫瘍性病変では血管新生が盛んでNBIで強調されやすいことから,病変の早期発見や腫瘍・非腫瘍の鑑別に有用である〔p.351〕.重複癌 癌真珠 扁平上皮化生 〔p.304〕扁平上皮細胞以外の細胞が,様々な刺激などにより扁平上皮細胞に変化すること.〔p.304〕異なった臓器に複数の癌が発生したもの.各腫瘍の性質や種類,部位が異なっており,一方が他方の転移でないと考えられることが条件となる.頭頸部癌は重複癌を生じやすく,治療開始前に食道を中心とした上部消化管内視鏡による重複癌検索が推奨される.〔p.304〕上皮の重層構造が乱れることで形成される,角化層を中心とした癌細胞の塊.C32.9治療⒈ 早期癌(Ⅰ,Ⅱ期)の場合:喫煙が誘因となり高齢男性に好発する頭頸部癌で,多くは扁平上皮癌である.近年は喫煙率の低下により,減少傾向にある.発生部位により声門癌・声門上癌・声門下癌に分けられ,症状・予後が異なる.重複癌を生じやすいため,頭頸部以外も定期的な経過観察が必要となる.やリハビリテーションなどQOLへの十分な配慮が必要である.正常細胞:異型細胞:多列線毛上皮を疑う.laryngeal cancer/laryngeal carcinoma〈男女比10〜20:1〉〈初期症状〉〈進行期症状〉 扁平上皮癌がほとんど 喉頭癌とは●喉頭の組織は声帯以外の大部分が多列線毛上皮で覆われており,喉頭癌は扁平上皮癌がほとんどを占める.intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:60歳以上の喫煙者の高齢男性 ❷ 嗄声,喉の違和感(咽喉頭異常感), 喘鳴,呼吸困難,頸部リンパ節腫脹などがみられる. ❸喉頭鏡や内視鏡検査で,表面不整な腫瘤が認められる. 放射線療法(第一選択),手術療法(喉頭温存手術など)⒉ 進行癌(Ⅲ,Ⅳ期)の場合: 放射線療法,化学療法,手術療法(喉頭全摘術,喉頭温存手術など)➡喉頭癌

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