病13-1版_web立ち読み_201201
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??*瘻孔症状の一つで,外耳道に圧を負荷すると眼振が誘発される.❺耳部単純X線像(Sシュラー●真珠腫性中耳炎:cholesteatomatous otitis media ●耳漏:otorrhea ●めまい:vertigo ●顔面神経麻痺:facial palsy/facial nerve paralysis ●伝音難聴:conductive hearing loss ●鼓室形成術:tympanoplasty ●迷路瘻孔症状:fi stula symptom●鼓膜陥凹部,真珠腫・耳茸の有無また耳漏の性質・量を確認し,抗菌薬の感受性●耳鏡検査で真珠腫を確認する際には,吸引操作によりめまい(瘻孔症状)が誘発さ●中耳の炎症の範囲や,骨破壊の程度によって次のような症状がみられる.80角化 瘻孔症状 An Illustrated Reference Guidecholesteatomatous otitis mediaめまい監修松本 希初期耳痛難聴悪臭を伴う耳漏進行期(骨破壊の進行後)圧迫眼振*耳鏡など顔面神経麻痺●涙分泌障害●表情運動障害●味覚障害 など〔p.80〕表皮の細胞のほとんどを占める角化細胞(ケラチノサイト)が,基底層側から最外層の角層側へ分化し,垢となりはがれ落ちるまでの過程のこと.〔p.80〕骨迷路の一部が中耳炎や真珠腫,外傷によって破壊され中耳腔に露出すると,外耳道への圧負荷によりめまいと眼振(圧迫眼振)が誘発される.これを瘻孔症状とよぶ.H71伝音難聴(進行後は感音難聴もみられる), 顔面神経麻痺, めまい,圧迫眼振, 頭痛,耳介後部の腫脹. 外耳,中耳の真珠腫(角化上皮の層状堆積物)が中耳内で骨破壊性に増殖する疾患である.真珠腫が腐敗することで生じる膿性耳漏,および骨破壊に基づく諸症状(難聴,めまい,顔面神経麻痺など)をきたす.検査を行うことも大切である.れる場合があるので注意する.進行chüller法,Sステンバース保存療法のみにとどめることもある.tenvers法),側頭骨CT像で〈真珠腫の進展,腐敗〉〈耳小骨への進展〉〈顔面神経管への進展〉〈骨迷路破壊による瘻孔症状〉〈乳突蜂巣への進展による乳様突起炎〉〈混合性難聴〉 骨破壊による症状が出現 症状intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:アデノイド増殖症や慢性中耳炎の患者❷耳痛,悪臭を伴う膿性耳漏, ❸耳鏡検査で,鼓膜穿孔や真珠腫塊.❹純音聴力検査で,気導↓(伝音難聴),または骨導・気導ともに↓,気骨導差(+). 異常軟部組織陰影,上鼓室,乳突洞周辺の骨欠損像,などの所見がみられる.➡真珠腫性中耳炎を考える.治療手術による真珠腫の完全摘出を基本とするが,⒈手術療法:真珠腫摘出術+鼓室形成術(耳小骨連鎖再建)※病変の広がりの大きい場合は段階手術を行う.⒉保存療法:局所清掃,消炎処置※定期的な再発,進展の確認が必要.真珠腫性中耳炎

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