病みえ12-1版_1刷_立ち読み
16/22

●原発閉塞隅角緑内障(PACG):primary angle closure glaucoma ●眼痛:eye pain/ocular pain ●霧視:blurred vision ●虹視〔症〕:iridopsia ●角膜浮腫:corneal edema ●結膜充血:conjunctival injection ●毛様充血:ciliary injection ●散瞳:mydriasis ●浸透圧利尿薬:osmotic diuretic ●縮瞳薬:miotics ●炭酸脱水酵素阻害薬(CAI):carbonic anhydrase inhibitor ●レーザー虹彩切開〔術〕(LI):laser iridotomy ●周辺虹彩切除〔術〕:peripheral iridectomy ●水晶体摘出〔術〕:lens extractionAn Illustrated Reference Guide●元々は開放隅角緑内障であったものに,加齢とともに白内障〔p.166〕が進み,水晶体の膨化によって虹彩が前方へ偏位し,閉塞隅角の要素が加わるものがある(混合緑内障).●隅角閉塞による眼圧上昇,または周辺虹彩前癒着(PAS〔p.106〕)を認めるが,緑内障性視神経症をきたしていないものを原発閉塞隅角症(PAC)という.PACは,急性緑内障発作や緑内障性視神経症への進行リスクがあることから,PACGと同様に注意する必要がある.●また,隅角閉塞はあるが,眼圧上昇や器質的な周辺虹彩前癒着(PAS)は認めず,緑内障性視神経症をきたしていない●隅角の閉塞により急激に眼圧が上昇し,眼圧上昇自体に伴う様々な徴候を示す.●発作は,片眼に発症することが多く,両眼同時発症はまれである.眼圧・視神経障害188〔p.197〕虹彩根部を部分的に切除し,前房と後房をつなげて瞳孔ブロックを解除する治療である.急性緑内障発作時で角膜混濁が軽快せず,レーザー虹彩切開術の施行が困難な例などで行われる.H40.2➡原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)を考える.※早急に治療を行わなければ,数日で不可逆的な視力障害をきたす.治療薬物治療で眼圧を下げ,角膜浮腫を取り除き,手術治療を行う.⒈薬物治療:浸透圧利尿薬,縮瞳薬(ピロカルピン),炭酸脱水酵素阻害薬⒉手術治療:レーザー虹彩切開術,周辺虹彩切除術,水晶体摘出術原発緑内障のうち,隅角の閉塞を認めるものを原発閉塞隅角緑内障(PACG)という.隅角閉塞により房水流出が妨げられ,高眼圧を示す.急激な眼圧上昇(急性緑内障発作)をきたす急性型に注意する(軽い眼圧上昇が長期に持続して進行する慢性型もある).急性緑内障発作数日で失明の可能性PACG:primary angle closure glaucoma〈男女比=1:2〜3〉〈頭蓋内疾患,内科疾患との鑑別に注意〉❸眼圧上昇(40〜80mmHg),角膜浮腫,結膜充血・毛様充血,散瞳を認める.❹隅角検査で,隅角が閉塞している. 〈瞳孔ブロックやプラトー虹彩〉 急性発作を起こす 原発閉塞隅角緑内障の経過●原発閉塞隅角緑内障(PACG)は,急激な眼圧上昇(急性発作)をきたす眼科救急疾患である.急激に隅角が閉塞急激な眼圧上昇ものは原発閉塞隅角症疑い(PACS)とよばれる.経過原発閉塞隅角緑内障は,急性発作をきたす疾患であることをまず頭に入れましょう.一方で,軽度の眼圧上昇が持続して緩徐に進行する慢性型もあります.慢性型の中には,開放隅角緑内障として扱われ,漫然と薬物治療が行われている例もあります.開放隅角なのか閉塞隅角なのかは治療方針に大きく関わるため,隅角検査で確実に鑑別することが重要です.監修中野 匡intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:40歳代以降の中年女性 ❷急激な眼痛,眼のかすみ(霧視),虹視,視力低下激しい頭痛,悪心・嘔吐などがみられる. 周辺虹彩切除術 原発閉塞隅角緑内障(PACG)

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る