病みえ12-1版_1刷_立ち読み
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●飛蚊症:fl oater ●光視症:photopsia ●後部硝子体剝離(PVD):posterior vitreous detachment ●外傷性網膜剝離:traumatic retinal detachment●裂孔原性網膜剝離では様々な原因により網膜に裂孔や円孔が生じることで,網膜剝離をきたす.●主な原因は加齢と近視である.●近視の病型のうち,軸性近視では眼軸長が長いため,●加齢に伴い,硝子体が液化する.●網膜と硝子体の癒着が強い部分が存在する.●網膜の菲薄化により,格子状にみえる萎縮性変化が生じる(格子状変性).●格子状変性の内部には網膜円孔が,周辺部には網膜●加齢により硝子体が収縮すると後部の硝子体と網膜が●前方に移動する硝子体に,癒着部の網膜が牽引されて●円孔や裂孔から液化した硝子体が網膜下に流入し,網●若年者では硝子体の液化が軽度なため,網膜剝離は●網膜裂孔から液化した硝子体が網膜下に流入し,網膜●硝子体の液化が進んでいるため,網膜剝離は丈が高く,かつ急速に進行する.●上記の他,鈍的外傷により網膜に裂孔が生じることで網膜剝離となることもある(外傷性網膜剝離)〔p.231〕.●また,アトピー性皮膚炎では眼部を掻くことで網膜に裂孔が生じ,網膜剝離を起こすといわれている〔p.246〕.132An Illustrated Reference GuideH33.0裂孔原性網膜剝離は,加齢や近視により生じた網膜の裂孔や円孔から液化した硝子体が網膜下へ流入することで,網膜剝離が生じた状態をいう.初期には飛蚊症や光視症を生じ,次第に視野欠損や視力低下がみられるようになる.進行性のものが多く,放置すると失明にまで至る.加齢前後癒着部位液化した硝子体網膜網膜裂孔後部硝子体剝離液化した硝子体の流入網膜剝離 原因により異なる 機序50〜60歳代眼軸長の伸展網膜が二次的に引き伸ばされ菲薄化する.裂孔が生じやすい.膜剝離となる.比較的扁平で進行も穏やかである.20〜30歳代監修近藤 峰生原因好発年齢前方へ牽引機序離れる(後部硝子体剝離).裂ける(網膜裂孔).剝離となる.近視菲薄化した網膜格子状変性裂孔円孔液化した硝子体の流入網膜剝離intro.裂孔原性網膜剝離

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