病みえ11-2
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●老年症候群:geriatric syndrome ●脊髄損傷(SCI):spinal cord injury ●認知症:dementia ●脳血管障害:cerebrovascular disease ●フレイル:frailty ●低栄養:undernutrition ●日常生活動作(ADL):activities of daily living ●ロコモティブシンドローム/運動器症候群:locomotive syndrome ●サルコペニア:sarcopenia●要支援もしくは要介護となった主な原因の約25%は運動器の障害である.したがって,運動機能の維持・増進は超高予備能力●健常状態と要介護状態の中間に位置し,放置すれば要介護状態になりやすいが,適切な介入によって健常状態に回復可能な段階である.●●●ADL〔p.472〕低下●生活機能障害身体的フレイル●筋量の低下●低栄養●口腔機能低下 など●フレイルは,次の図のように身体的フレイル,精神・心理的フレイル,社会的フレイルに分類されることがある.●フレイルの発症には様々な要因が関与するため,個人の身体機能や認知機能,精神面を考慮して疾患治療や栄養管理●社会的孤立●閉じこもりル社会的フレイ●うつ●認知症など精神・心理的フレイル老年症候群+αもっとわかる 要介護の原因 超高齢社会と運動器の障害●老年人口(65歳以上の人口)が全人口の21%を超える社会を超高齢社会といい,現在の日本はこれにあたる(29.1%,2022年).高齢化が進む社会では健康に日常生活を送れる期間(健康寿命)を延ばすこと,すなわち日常生活に制限のある期間をできるだけ短くすることが大切である. 健常状態と要介護状態の中間に位置する フレイル●フレイルとは,「加齢に伴う予備能力低下や機能変化のため,外的ストレスに対する脆弱性が増加した状態」を表す“frailty”の日本語訳として,日本老年医学会が提唱した用語である.齢社会における重要な課題であり,運動器の障害の予防が求められる.平均寿命男性 81.4歳女性 87.5歳健康寿命男性 72.9歳女性 75.4歳フレイルの多面性を行うなど,多面的な介入が必要である.男性 約9年女性 約12年日常生活に制限のある期間など骨折・転倒12.5%関節疾患10.8%脊髄損傷1.5%運動器の障害24.8%認知症17.6%フレイル要介護状態回復可能回復困難監修帖佐 悦男資料:厚生労働省 「国民生活基礎調査」(2019年)要支援もしくは要介護となった主な原因その他28.7%高齢による衰弱12.8%脳血管障害16.1%健常状態健康寿命の延長や介護予防を目指し,提唱された概念としては,フレイルの他にロコモティブシンドローム(ロコモ)〔p.467〕,サルコペニア〔p.469〕などがあります.老年科医466An Illustrated Reference Guide高齢者の運動器障害老年症候群

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