病みえ11-2
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●関節軟骨:articular cartilage ●寛骨臼形成不全〔症〕/臼蓋形成不全〔症〕:acetabular dysplasia ●発育性股関節形成不全(DDH):developmental dysplasia of the hip ●可動域制限:restricted range of motion ●関節裂隙:joint space ●骨棘:osteophyte/spur ●軟骨下骨〔層[組織]〕:subchondral bone ●骨硬化症:osteosclerosis ●骨囊胞(腫):bone cyst●上記の症状の他に,股関節周囲の筋力低下や筋萎縮がみられることがある.●治療方針を立てる際には病期の他に,年齢や性別,関節面の適合性,他関節の状●進行に伴い股関節の可動域が制限され,日常生活動作(靴下履き,足の爪切り,しゃがみこみなど)が困難になる.●初期には,運動開始時や荷重時の疼痛が特徴的である.●進行すると股関節の可動域制限が出現し,跛行,関節変形をきたす.●診察では,Patrickテスト〔p.156〕が有用である.●病初期は股関節の運動開始時や荷重時の疼痛(starting pain)が特徴的である.●進行すると疼痛は持続性になり,安静時痛や夜間痛をきたすことがある.●進行すると股関節は強直し,患肢短縮に伴う脚長差をきたす.●疼痛,脚長差の存在,または外転筋力の低下により,様々な跛行(疼痛回避跛行,Trendelenburg徴候〔p.156〕)をきたす.患側健側患側健側416高度架橋ポリエチレン 〔p.419〕摩耗に強いポリエチレン.かつてライナーに用いられていたポリエチレンでは関節面で摩耗粉が生じ,それに続いて起こる骨溶解や人工関節のゆるみが問題となった.現在ライナーに用いられている高度架橋ポリエチレンでは摩耗が生じにくくなり,人工関節の耐久性が向上している.セメントレス固定前方インピンジメントテスト 〔p.420〕患者を仰臥位にさせ,股関節を他動的に90°屈曲,最大内転させたあとに内旋させる徒手検査.疼痛や引っかかり感がある場合を陽性とする.An Illustrated Reference Guide〔p.419〕骨セメントを用いずに人工関節(ソケットやステム)を固定する方法.従来はセメント固定が行われてきたが,手技の簡便さなどからセメントレス固定が近年増加傾向にある.セメントレス固定では,固定性を高めるために人工関節に骨組織の新生・固着を促す表面加工が施されている.M16.9❷鼠径部などの疼痛, ❸ X線像で,関節裂隙の狭小化,骨棘形成,軟骨下骨の骨硬化像,骨囊胞などが変形性膝関節症と同様,関節軟骨の退行変性〔p.410W〕をきっかけに股関節の関節破壊・変形をきたす疾患である.わが国では寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)〔p.168W〕などに続発する二次性のものが大半を占める.態などを考慮する必要がある.疼痛跛行健側の骨盤が沈下〈男女比intro.MINIMUM ESSENCEcoxarthrosis/hip osteoarthritis/osteoarthritis of the hip/hip osteoarthrosis❶40〜50歳以上の女性,重量物取り扱い作業の従事者, 寛骨臼形成不全や発育性股関節形成不全の既往のある人に好発する. 1:1〜4〉〈初期はstartingpain〉関節可動域制限,関節変形,脚長差,跛行などがみられ,Pパトリックatrickテストが陽性となる.みられる.➡変形性股関節症を考える.治療●疼痛の軽減や症状の進行の予防を目的にまずは保存療法を行う.●進行がみられる場合には手術療法を検討する. 進行により関節変形をきたす 症状・所見骨組織の新生・固着を促す表面加工+αもっとわかるトレンデレンブルク可動域制限(伸展×,外転×,内旋×)監修関矢 仁Trendelenburg徴候可動域制限関節変形強直の一例屈曲内転(外転制限)外旋脚長差変形性股関節症

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