病10-4版_立ち読み
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●胎盤:placenta ●絨毛:villus ●子宮動脈:uterine artery ●絨毛間腔:intervillous space ●胎盤中隔:placental septum ●臍動脈:umbilical artery ●臍静脈:umbilical vein ●臍帯:umbilical cord ●胎盤葉:placental lobe ●基底脱落膜:basal decidua/decidua basalis ●らせん動脈:spiral artery ●繁生絨毛膜/絨毛膜有毛部:chorion frondosum ●栄養膜細胞:trophoblast ●胎盤の形成は妊娠7週頃から始まり,妊娠4ヵ月末までに形態的・●妊娠末期には重さ約500g(胎児体重の約1/6)になり,胎児娩出後●胎盤は母体由来の成分と胎児由来の成分からなる.したがって,●子宮動脈から絨毛間腔へは血液が噴き出して母体血で満たされ,胎児血は絨毛を介して栄養・代謝物質の輸送やガス交換を行う.●胎盤は胎児の絨毛が母体血のプールにつかっているような構造に●胎盤の母体面は,胎盤中隔により約20個の胎盤葉に区画される.胎盤子宮筋層正常妊娠30An Illustrated Reference Guide胎盤は,妊娠することにより形成される特殊な臓器である.その発生についてはp.21を参照のこと. 胎児と母体をつなぐ生命維持装置 胎盤とは●胎盤は胎児の生命維持の役割を果たす,重要な臓器である.●胎盤では,胎児-母体間の栄養・代謝物質の輸送やガス交換を行っている.また,妊娠維持や胎児の成長に必要なホルモンなども産生される. 母体血のプールに絨毛がつかる 胎盤の構造機能的に完成し,その後妊娠10ヵ月頃まで増大を続ける.に娩出される〔p.248〕.胎盤は母体と胎児の合作といえる.なっているため,母体血と胎児血は原則として混ざらない.胎盤の構造(縦断面)胎児側胎盤葉絨毛間腔絨毛母体側胎盤中隔臍帯臍静脈酸素飽和度の高い血液(動脈血)が流れる.母体血子宮静脈子宮静脈子宮動脈胎児臍動脈酸素飽和度の低い血液(静脈血)が流れる.胎盤絨毛母体子宮動脈臍静脈臍動脈胎児由来成分母体由来成分羊膜絨毛膜絨毛膜板絨毛絨毛間腔母体血基底脱落膜静脈らせん動脈監 修伊東 宏晃胎盤胎児-胎盤系

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