病10-4版_立ち読み

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●先天性心疾患：congenital heart disease　●未熟児動脈管開存症（PDA）：patent ductus arteriosus in premature infants　●バルーン心房中隔裂開術（BAS）：balloon atrial septostomy　●完全大血管転位（TGA）：complete transposition of the great arteries　●総肺静脈還流異常症（TAPVR）：total anomalous pulmonary venous return　●チアノーゼ：cyanosis　●心雑音：heart murmur　●経皮的酸素飽和度（SpO2）：percutaneous arterial oxygen saturation　●多呼吸：tachypnea　●心室中隔欠損〔症〕（VSD）：ventricular septal defectAn Illustrated Reference Guide●チアノーゼ，心雑音，全身状態の悪化などから先天性心疾患が疑われる場合，●大腿動脈拍動が触れにくい場合，大動脈縮窄症を疑う（初回診察時などに必ず確認する）．●無害性心雑音は次第に減弱・消失していくが，先天性心疾患による心雑音は徐々に大きくなることが多い．●重篤な疾患でも必ずしも聴取されないことも重要であ●特異的な症状ではないが，他に哺乳障害，多呼吸，特異顔貌などがみられる．他の心徴候とともにみられるとき，心疾患を疑う根拠の1つとなる．●無害性心雑音には，動脈管の閉鎖過程に伴う雑音，三尖弁の一時的な逆流に伴う雑音，相対的肺動脈狭窄に伴う雑音などがある．●PPHN〔p.409〕や大動脈弓部の縮窄・離断では，上肢のSpO2＞下肢のSpO2となり下●蘇生時には，動脈管の右左シャントの影響を最も受けにくく，脳に行く血液の酸素●PGE1製剤の持続点滴により開存を維持したうえでシャント手術などを行う．●バルーン心房中隔裂開術（BAS）や姑息的手術あるいは心内修復術を行う．■完全大血管転位症（TGA）の一部■総肺静脈還流●先天性心疾患の中でも，新生児期に発症し，生後早期の新生児●皮膚の蒼白●末梢冷感●腹部膨満（肝腫大）●血圧↓　●尿量↓●動脈管の閉鎖（ductal shock），肺血管抵抗減弱による体循環血流の減少により，腎不全やショックをきたす．●皮膚が青い（チアノーゼ）より白い（ショ●生後一定期間を経過してチアノーゼが増悪してくる．●呼吸は比較的落ち着いていることが多い（例外あり）．●出生直後や数時間後に著明なチアノーゼを認める．●陥没呼吸や呻吟などがみられる．●視診のみで有無を判断せず，疑いがある場合にはSpO2を測定する．●心疾患の場合，肺血管抵抗の低下や動脈管閉鎖により生後数時間から●TGAでは，出生直後よりチアノーゼ，多呼吸がみられる．チアノーゼの原因と特徴新生児に起こりやすい病態401SpO2による評価や応急処置と並行して心エコーにより精査を行う．治療が必要な疾患に注意を要する．肺循環を動脈管に依存■肺動脈閉鎖■三尖弁閉鎖ファロー■重症Fallot四徴症ショックック）状態の方がより重篤である．その他新生児期に治療が必要な疾患新生児期に問題となる先天性心疾患●❶未熟児動脈管開存症（PDA）●インドメタシンの静注や外科的結紮術を行う．先天性心疾患を疑う症状・身体所見チアノーゼしんぎん動脈管肺肺 肺体肺体 脳大動脈●❷動脈管依存性の先天性心疾患体循環を動脈管に依存■大動脈離断■僧帽弁閉鎖■左心低形成症候群■心不全■肺うっ血■臓器障害数日経ってチアノーゼが顕在化することが多い．心疾患呼吸器疾患心雑音る（TGA，TAPVR，大きなVSDなど）．半身のみにチアノーゼがみられることがある．飽和度を反映する右上肢にパルスオキシメーターを装着する．●❸新生児期の手術が必要な疾患異常症（TAPVR）■総動脈幹症 など左上肢右上肢肺動脈下半身循環器系の障害Supplement経皮的酸素飽和度（SpO2）の測定●SpO2は動脈管での右左シャントの影響などのため，部位により値が異なることがあり，循環器疾患の診断のため有用な所見である．