病10-4版_立ち読み
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Ⅶa●特に前述のCouvelaire徴候のみられるケースでは高率に●弛緩出血のコントロールが困難であれば子宮摘出術を行●また子宮が温存できた場合でも子宮収縮と外出血には細妊娠の異常常位胎盤早期剝離●大量出血となり,母児ともに危険●凝固因子と血小板が枯渇し,出血を止められなくなる(消費性凝固障害).●剝離面より,胎盤に多く含まれる組織因子が母体血中に流入する.●流入した組織因子により凝固が活性化され(DIC発症),微小血栓が形成される〔p.320〕.●生物学的結紮が起こらない.だらだら●アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST):aspartate aminotransferase ●乳酸脱水素酵素(LDH):lactate dehydrogenase ●組織因子(TF):tissue factor ●凝固因子:coagulation factor ●血小板:platelet ●基底脱落膜:basal decidua/decidua basalis ●子宮漿膜/子宮外膜:perimetrium ●弛緩出血:atonic bleeding123An Illustrated Reference Guide写真提供:鈴木 康之TFもっと固めろ!TFTFTFもう仲間がいないよ…ⅦaTFTFTFTFTFTFTFTF 早剝はDICになりやすい DICの合併●早剝は産科DICの原因の約50%を占める. 収縮不良となりやすい Couvelaire徴候●早剝では胎盤基底脱落膜内の出血により,子宮,胎盤のうっ血が起こる.重症の場合には,出血,組織変性,壊死が子宮漿膜まで広がり,子宮は黒い溢血斑を呈する(Cクーヴレールouvelaire徴候).このような症例では胎児胎盤娩出後に子宮収縮が不良となりやすく,弛緩出血をきたすことがある. 子宮摘出を考慮する 弛緩出血●早剝では血腫が増大すると子宮筋層内に出血が浸潤し,子宮筋による血管の生物学的結紮が起こりにくくなる.●このため胎児娩出後も出血が止まらず弛緩出血となるこ母体側組織因子TF胎盤凝固因子血小板固めろ!TFまかせろ!血小板組織因子凝固因子とがある.弛緩出血が生じる.わざるをえないことが多い.心の注意を払わなければならない.子宮筋層内への出血の浸潤出血が続く貧血・頻脈血圧低下出血が止まらないな状態となる.

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