病1-6版_web立読み
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●アミノサリチル酸(ASA):aminosalicylic acid ●メサラジン:mesalazine ●サラゾスルファピリジン(SASP):salazosulfapyridine ●アラキドン酸カスケード:arachidonate cascade ●ロイコトリエン(LT):leukotriene ●エチルセルロース:ethyl cellulose ●コーティングドラッグ:coating drug ●抗TNF-α抗体製剤:anti TNF-α antibody biologics ●腫瘍壊死因子(TNF):tumor necrosis factor 5-ASA5-ASA5-ASAを覆った腸溶剤.●pH7以上で溶解する高分子ポリマーで●pH依存的に,回腸末端から大腸にかけて5-ASAが放出される.5-ASA●抗TNF-α抗体製剤は,炎症性腸疾患患者の腸管で過剰に産生され,炎症の原因となっているTNF-αの作用を抑制する生物学的製剤である.胃胃胃●徐放化するために多孔性のエチルセルロースフィルムで5-ASAを覆った腸溶剤.●時間依存的に小腸から大腸にかけて,●大腸で腸内細菌によって,スルファピリジンと5-ASAに分解される.*アサコール®とリアルダ®は,潰瘍性大腸炎(重症を除く)のみに適応.E-セレクチン●TNF-αの産生や受容体への結合が減少し,炎症性サイトカインの分泌が抑制される.●TNF-αの中和によって,細胞接着分子の発現が低下し,好中球の遊走も減少する.●TNF-αによりマクロファージなどからIL-1やIL-6といった炎症性サイトカインが分泌される.●TNF-αにより血管内皮細胞の細胞接着分子(E-セレクチン,ICAM-1)の発現が促進され,好中球が血管内皮細胞間を通過する.170An Illustrated Reference GuideICAM-1SASPSPTNF-α炎症性腸疾患の基本的治療薬アミノサリチル酸製剤●アミノサリチル酸製剤は,軽症~中等症の炎症性腸疾患の基本的治療薬である.●炎症性腸疾患の治療で用いられるアミノサリチル酸製剤には,メサラジン(5-ASA)とサラゾスルファピリジン(SASP)がある.●メサラジンの作用機序は完全には明らかでないが,炎症細胞から放出される活性酸素を除去し,炎症の進展や組織の傷害を抑制することや,アラキドン酸カスケードの阻害により,ロイコトリエンB4の産生を抑制することで,抗炎症効果を発揮すると考えられている.炎症反応を抑える抗TNF-α抗体製剤エチルセルロースフィルム高分子ポリマーアゾ結合炎症性サイトカイン血管内皮細胞pH7以上になる回腸末端から作用開始(コーティング変形,破壊)TNF-αの中和抗TNF-α抗体小腸病変,大腸病変ともに有効小腸作用開始徐々に5-ASAを放出小腸腸内細菌小腸作用開始投与後大腸主に大腸病変に有効大腸大腸病変に有効大腸結合したTNF-αを解離メサラジン(5-ASA)ペンタサ®全体的に5-ASAが放出される.アサコール®,リアルダ®*サラゾスルファピリジン(SASP)●病変局所での濃度を高めるためにキャリアとしてスルファピリジン(SP)をアゾ結合で結合させたプロドラッグ.投与前マクロファージによるTNF-α分泌炎症巣好中球ローリング

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