薬4-1版_立ち読み
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●酸化●還元●加水分解→官能基を導入排泄(尿中・胆汁中など)薬物動態学代謝̶核●硫酸転移酵素●グルタチオン転移酵素●アセチル転移酵素●シトクロムP450●グルクロン酸転移酵素●エステラーゼ●アシル転移酵素S-9画分(9,000×gで遠心した場合の上清)低高肝臓破砕遠心分離肝組織ホモジネート画分含まれる細胞小器官核,壊れていない細胞粒子の大きさ・重さ大きい・重い含まれる主な酵素600×g10分元から極性基を有する薬物の場合は,第Ⅰ相反応を受けずに直接第Ⅱ相反応を受けることがある.血管肝実質細胞ミトコンドリア毛細胆管ペルオキシソーム上清遠心分離沈殿核画分ミトコンドリア画分ミトコンドリアなど第Ⅰ相反応に関わる酵素第Ⅱ相反応に関わる酵素第Ⅱ相反応●グルクロン酸抱合●硫酸抱合●グルタチオン抱合 など→官能基に内因性物質を抱合水溶性⬆⬆,分子量⬆内因性物質“ミクロソーム”は,遠心分離で調製する画分を示すために使用される言葉であり,細胞内にこの名称の小器官が存在するわけではありません.→薬物代謝の場として重要生理学者可溶性画分細胞質(粒子は含まれない)Pharmacology vol.4 : An Illustrated Reference Guide1039,000×g20分105,000×g60分 第Ⅰ相と第Ⅱ相 代謝の様式●薬物代謝の反応は第Ⅰ相反応と第Ⅱ相反応の2つに大きく分類できる.●第Ⅰ相反応は,酸化・還元・加水分解により薬物に極性の高い官能基を導入し,極性(水溶性)を高める反応である.●第Ⅱ相反応は,一般に,第Ⅰ相反応で生じた官能基に内因性物質を抱合する反応である.多くの場合,分子量と極性が大きくなる.●多くの場合,排泄される際には両方の反応を受けるが,どちらか片方の反応のみで排泄される場合や,全く代謝を受けずに排泄される場合もある. ミクロソーム画分が重要 酵素の肝細胞内局在と画分●血流に乗って肝臓に運ばれてきた薬物の多くは,肝実質細胞の小胞体で第Ⅰ相反応を受ける.その後,小胞体や細胞質,ミトコンドリアなどで第Ⅱ相反応を受ける.各細胞小器官に存在する酵素は,肝組織ホモジネート〔p.101〕を遠心分離することで4つの画かくぶん分に分離して分析することができる.●細胞内で網目状に存在する小胞体は,肝組織を破砕するとミクロソームとよばれる小さな破片に切断され,遠心分離すると一番軽い粒子の画分に集まる.この画分をミクロソーム画分といい,重要な薬物代謝酵素を多く含んでいる.第Ⅰ相反応水溶性官能基(脂溶性)水溶性⬆投与薬物第Ⅰ相反応のみで水溶性が十分高くなる場合,もしくは極性化代謝物が第Ⅱ相反応を受けにくい構造の場合は,第Ⅱ相反応を受けずに排泄される.リソソームゴルジ体粗面小胞体(リボソームが結合している)滑面小胞体上清上清遠心分離沈殿沈殿ミクロソーム画分小胞体の断片・小胞小さい・軽い→多くの薬物代謝酵素が存在する.

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