薬4-1版_立ち読み
25/28

●減量●中止●代替薬への切り換え●非薬物療法●用法の最適化※処方を変更した場合,その効果や患者の症状を注意深く経過観察する.●薬物有害事象の発生●アドヒアランスの低下(残薬増など)●長期の多剤服用薬剤の使用と実務ポリファーマシー■●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●■●●●●●●●●●●■●●●●●●●●●●●●●●●お薬手帳は,いつ・どこで・どの薬剤を処方・調剤されたかを記録する手帳である.電子化されたお薬手帳(アプリなど)もある.●複数の医師からの処方,薬局での調剤情報や,副作用歴などを共有することで,副作用,相互作用・重複処方を防止できる.●かかりつけ医・かかりつけ薬局を利用できている患者は,ポリファーマシーに陥るリスクが低い.ただし,実際には,薬物有害事象の発生や,入院などをきっかけに,処方が見直されることが多い.●複数のお薬手帳を持っている患者には,全ての手帳を持参・提示するよう促し,できるだけ1冊にまとめる.○○医院様年 月 日〜   年 月 日お薬手帳●●●●●●お薬の名前症 状お名前Pharmacology vol.4 : An Illustrated Reference Guide氏 名 男・女生年月日   年  月  日 年齢 歳連絡先血液型(A・AB・B・O型)アレルギー歴(有・無)食べ物あなたの大切な情報副作用歴(有・無)お薬の名前主な既往歴年 月 日お薬の名前・医療機関・薬局●年●月●日Aクリニック Dr ●●⒈ ○○○○○○○  ●●●●●●●●●●●●●●● 2. ○○○○○○○○○  ●●●●●●●●●●● ⒊ ○○○○  ●●●●●●●●●●●●● ○錠○日分○錠○日分○錠○日分●●薬局▲年▲月▲日B病院 ▲科 Dr ▲▲複数の医療機関からの処⒈ ○○○○○ ○錠⒈ ○○○○○ ○錠 ●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●● ○日分○日分方を共有することで,重複処方や相互作用による有▲▲薬局▲▲薬局害事象を防止できる.年 月 日お薬の名前・医療機関・薬局お薬の名前・医療機関・薬局担当医の先生へ●●さんは〇〇〇〇を使用しています.以下の点にご注意ください.341病院Z連携・情報共有医師かかりつけ医包括的評価・見直しが可能チェックポイント□処方カスケードに至っていないか□同種同効薬が重複していないか□相互作用の影響がないか□処方意図が不明な薬剤はないか□無効な薬剤を漫然と続けていないか□予防としての薬物療法が予後に影響するか□患者が実際に服用していない薬剤(残薬)はないか□薬物療法以外の治療法はないか患者の副作用歴などを共有することで,副作用を未然に回避できる.病院Z医療機関に近い複数の門前薬局で調剤するのではなく,かかりつけ薬局で調剤します.処方の適正化使用中の薬を元に,医師へ注意点を伝えたり,患者に副作用の初期症状などを示したりすることが可能である.また,患者自身が気づいたことを書き込むこともできる. 一元管理と処方の見直し ポリファーマシーへの対応●ポリファーマシーを防止する,あるいは解消するためには,不適切な処方を見直す必要がある.●老年症候群の原因となる薬剤〔p.336〕など特に慎重な投与を要する薬剤(例:抗コリン薬,ベンゾジアゼピン系薬など)は可能な限り投与を控える必要がある.●処方の適正化のためにはまず,患者の病歴・薬歴を包括的に評価するための一元管理が必要になる. 薬歴共有のツール お薬手帳処方の一元化(かかりつけ医)病院X病院Y複数の医療機関での治療内容を把握し,患者の状態に合わせて処方を管理します.処方内容の見直し対象(見直しのきっかけ)調剤の一元化(かかりつけ薬局・薬剤師)病院X病院Yかかりつけ薬局薬剤師※処方や調剤を一元化できない場合でも,お薬手帳〔次項〕を利用することで,情報の一元管理は可能である.○○薬局

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る