薬みえ3-2
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R2R2RRRRRR222R2R2RRRRRR222●この他,バシトラシン〔p.191〕も細胞壁合成阻害薬に含むこともある.●β-ラクタム系抗菌薬(β-ラクタム系薬)とは,細胞壁合成阻害薬のうち,4員環であるβ-ラクタム環を基本骨格としてもつ抗菌薬のことである.●主なβ-ラクタム系薬には,ペニシリン系薬,セフェム系薬,カルバペネム系薬,モノバクタム系薬がある.●これらの他にペネム系薬〔p.166〕がある.●β-ラクタム系薬はヒトの細胞に対する毒性が低い(高用量を用いても比較的安全)こと〔p.131〕,古くから使用されておりエビデンスが多いことなどの理由から,感受性があれば第一選択薬とすべきである.●抗菌効果が時間依存性であり,各薬剤で多少異なるが,T>MICが40〜60%以上となるように頻回投与が必要となる〔p.133〕.●β-ラクタム系薬に共通するβ-ラクタム環(細菌のPBPと結合する部位)には,各薬物ごとに異なる側鎖がついている〔前項〕.●この側鎖の違いが,有効な細菌(スペクトル)や薬物動態の違いを生みだしている.●血中半減期は消失(代謝・排泄)に関わる臓器の機能が正常な場合の時間である.腎障害または肝障害がある場合は延長し,抗菌薬による副作用(直接毒性)が出現しやすくなるため,投与量・間隔を調節しなければならない〔p.135〕.*開発当初のもの(ペニシリン系薬であればベンジルペニシリン)を示したが,抗菌薬のターゲットは分類,世代ごと,または耐性菌の出現の有無によって細かく異なるため,詳細については各ページを参照のこと.●PBPを阻害●ムレインモノマーがペプチドグリカン層に組み込まれることを阻害●NAMの合成阻害●D-Ala合成,またはD-Alaのペプチド鎖への結合を阻害(抗結核薬)感染症と薬細胞壁合成阻害薬β-ラクタム系薬は,分類ごとにそれぞれ次のような基本骨格をもちます.また,各分類の中でも薬物によってR基の部分が異なります.R基の部分が異なります.β-ラクタム環約2時間約1時間約30分〜1時間腎腎腎腎β-ラクタム系抗菌薬11NN223344SS7766552211NN334455SS88776611NN776633445511NN442233Pharmacology vol.3 : An Illustrated Reference Guide略語●最小発育阻止濃度(MIC):minimum inhibitory concentration+αもっとわかる139HHCOOR2COOR2COORCOORCOORCOORCOORCOOR222CH3CH3OOCH3CH3NNHHOOOOCOOHCOOHOONNHHOONNOOCOOHCOOH22HHSSHOHOH3CH3COOSO3HSO3HNNHHOOR1R1RRRRRR111R2R2RRRRRR222R1R1RRRRRR111R1R1HHRRRRRR111R1R1RRRRRR111 β-ラクタム環をもつ抗菌薬 β-ラクタム系抗菌薬とは 側鎖によってスペクトルや薬物動態が異なる 各β-ラクタム系薬の特徴分類■β-ラクタム系抗菌薬■グリコペプチド系抗菌薬〔p.167〕■ホスホマイシン系抗菌薬〔p.169〕■サイクロセリン〔p.192〕ペニシリン系薬〔p.141〕ペニシリン系薬主なグラム陽性菌ターゲット*細菌への作用(大腸菌の場合)血中半減期架橋を阻害消失経路主な作用カルバペネム系薬〔p.164〕カルバペネム系薬グラム陽性菌・陰性菌,嫌気性菌菌体が卵形化し,その後溶菌PBP1B,PBP4に結合して細胞壁の細菌のPBPと結合する部位セフェム系薬〔p.152〕※上記は,セファロスポリン系薬の構造セフェム系薬グラム陰性菌・陽性菌その後溶菌約1時間※セフトリアキソンは約6時間※セフォペラゾンは肝排泄PBP3に結合することで菌体がフィラメント化し,PBP2に結合することでPBP3に結合することで菌体がフィラメント化し,薬剤師モノバクタム系薬〔p.166〕モノバクタム系薬グラム陰性菌その後溶菌

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