薬みえ3-2
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➡●上皮成長因子受容体(EGFR):epidermal growth factor receptor ●ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2):human epidermal growth factor receptor 2 ●血管内皮増殖因子(VEGF):vascular endothelial growth factorバッ●理論(作用機序)から始まる●効果(殺細胞性作用)から始まる(POC)●細胞増殖を開始する刺激,シグナル伝達を阻害する.作用部位分子標的薬の悪性腫瘍と薬●特定の分子(標的分子)があるかどうかで選択する場●特定のがんに使用する薬が多い.細胞障害性抗がん薬の作用部位●細胞増殖に一般的に必要なDNA合成・細胞分裂を阻害する.●細胞分裂しているかどうかを選択(増殖が速いものほど影響が大きい).●複数のがんに使用できる薬が多い.抗がん薬総論●標的分子のある細胞のみに作用する.●がん細胞であっても標的分子がなければ作用しない.●分裂している細胞に対して,細胞の種類の区別なく作●がん細胞だけでなく,標的分子のある正常細胞にも●標的とする分子ごとに特徴的な副作用が出現する.●皮膚障害(EGFR阻害薬が上皮細胞に発現するEGFRを阻害〔p.384〕)●心筋障害(HER2阻害薬が心筋細胞に発現するHER2を阻害〔p.387〕)●創傷治癒遅延(抗VEGF抗体薬が血管新生を阻害〔p.391〕)●正常細胞であっても分裂していれば作用する.●正常細胞もがん細胞と同じ細胞増殖過程を必要として●細胞分裂が活発な臓器ほど影響を受ける.●骨髄抑制〔p.414〕■白血球減少(好中球減少)■血小板減少■赤血球減少●皮膚障害〔p.421〕●消化管障害〔p.420〕*がんの病態生理・分子生物学から理論的に想定した標的分子を阻害することで,実際に抗腫瘍効果が発揮されるかを証明すること.TKTKPharmacology vol.3 : An Illustrated Reference Guide+αもっとわかる343 大まかな特徴をつかむ 細胞障害性抗がん薬と分子標的薬の比較●細胞障害性抗がん薬と分子標的薬は,がん薬物療法で中心的な役割を果たしている.この2つは,それぞれ次のような特徴をもっていることから,その作用や,注意すべき副作用に違いが現れる.分類殺細胞性作用を示す化合物を特定創薬過程増殖自体に必要なものを攻撃するよ.作用機序選択性がん細胞イメージ増殖するものはみんな攻撃!用する.効果予測難(臨床試験による部分が大きい)主な副作用の発現機序いることにより起こる.代表例■脱毛〔p.421〕(皮膚毛根細胞の障害)■口内炎ズ細胞障害性抗がん薬標的分子(作用機序)製剤化の判明(種々の試験)増殖因子細胞膜受容体細胞障害性抗がん薬細胞分裂(がんの増殖)低い別の種類のがん細胞分裂中の正常細胞分裂していない正常細胞分裂したばっかりに■下痢G1期S期細胞周期進行G2期細胞障害性抗がん薬も何らかの“分子”に作用することは分子標的薬と同様です.作用すべき“分子”(標的分子)を解明してから化合物(薬物)を特定・合成していくという創薬過程が,分子標的薬とよばれるゆえんです.標的分子(作用機序)の判明細胞内シグナル伝達※ここでは1種類の増殖因子・受容体,シグナル伝達経路しか示していないが,実際には様々な標的分子があり,細胞の種類・がんの種類によってその意義は大きく異なる.M期合がある.標的のないがん細胞標的のあるがん細胞可能なものもある(各種バイオマーカーで判定)作用することにより起こる.薬学者分子標的薬理論の証明*製剤化(種々の試験)増殖を起こす刺激を途中で止めるよ.分子標的薬高い分裂中の正常細胞分裂していない正常細胞狙うのはあいつだけ狙われてる?!

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