薬みえ3-2
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HN≒OROOββββ●β-ラクタム系薬は活発に細胞分裂をしている細菌,つまり,細胞壁を合成している細菌に対して殺菌的に作用する.●PBPは複数の種類があり,細菌によって所有する数も異なる(例えば黄色ブドウ球菌は4種類,大腸菌は7種類以上)〔p.139〕.●クラミジアは細胞壁をもつがペプチドグリカンをもたない.●レジオネラは環境細菌であり,人工培地で増殖可能であるが,通常はアメーバやマクロファージ内で増殖するため,臨床的に無効である.●β-ラクタム系薬が無効なこれらの細菌には,親水性の低いタンパク質合成阻害薬〔p.171〕や核酸合成阻害薬〔p.183〕が有効となる.β-ラクタム環D-Ala-D-AlaH3CH3Cβ-ラクタム系薬β-ラクタム系薬無効●細胞壁合成を阻害する.●親水性のため細胞内への無効●PBPのセリン残基(TP活性部位)にD-Ala-D-Alaがエステル結合し,5番目のD-Alaが外れる.β-ラクタム系薬●D-Alaが1つ外れたペプチド鎖が,Glyを介して他のペプチド鎖とアミド結合する(架橋)〔p.138〕.●β-ラクタム環が,開環を伴ってPBPのセリン残基にエステル結合する.●この結合(共有結合)により不可逆的にPBPが不活化し,架橋できなくなるためペプチドグリカン層の合成が阻害される.β-ラクタム系薬β-ラクタム系薬投与時(Gly):glycine ●トランスペプチダーゼ(TP):transpeptidasePharmacology vol.3 : An Illustrated Reference Guide略語●アラニン(Ala):alanine ●ペニシリン結合タンパク質(PBP):penicillin-binding protein ●セリン(Ser):serine ●グリシン+αもっとわかる140CORCORNNHHNNHHHHSerPBPPBPCH3CH3SerPBPPBPGlySerSer PBPに結合して阻害 作用機序●β-ラクタム環は,ペプチドグリカン層を構成するペプチド鎖のD-アラニル-D-アラニン(D-Ala-D-Ala)に構造が似ている.●このため,ペニシリン結合タンパク質(PBP)にβ-ラクタム環が結合して架橋反応を阻害する(競合阻害).細胞内寄生菌血管内皮細胞リケッチア上皮細胞クラミジアマクロファージレジオネラムレインモノマーセリン残基ペプチドグリカン層合成時エステル結合細胞壁をもたない細菌くっつくとこがないマイコプラズマエステル結合結合できない…β移行性が悪い.■の部分が,PBPと結合する部位です.酵素であるPBPがペプチドグリカン層合成時の結合部位に自らβ-ラクタム系薬を取り込み失活します.このことから,β-ラクタム系薬は自殺基質ともいわれます.薬剤師次を結合しに行くぞ!入れないSupplementβ-ラクタム系薬が無効な細菌●マイコプラズマは細胞壁がなく,また,リケッチア,クラミジア,およびレジオネラは細胞内に寄生するといった一般細菌とは異なる特徴をもつため,これらの細菌にはβ-ラクタム系薬が無効である.

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