薬1-2版_立ち読み
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➡●モノアミン酸化酵素(MAO):monoamine oxidase ●ドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI):dopa decarboxylase inhibitor ●ドパ脱炭酸酵素(DDC):dopa decarboxylase ●芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(AADC):aromatic L-amino acid decarboxylase ●化学受容器引き金帯(CTZ):chemoreceptor trigger zone ●カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT):catechol-O-methyltransferase■HCl■HCl●❶カルビドパ,❷ベンセラジドはドパ脱炭酸酵素(DDC)を阻害するドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)である.●これらの薬は,レボドパが末梢でドパミンに代謝される量を減らし,血液脳関門(BBB)を通過して脳で利用されるレボドパを増加させる〔p.170〕.●服薬を食直後にする.●食前にドンペリドンなどの制吐●レボドパの服用により,次のような副作用が出現することがある.●レボドパが末梢でドパミンに変換され,延髄の化学受容器引き金帯(CTZ)を刺激することによる.●線条体でのドパミン過剰や感●悪心・嘔吐●食欲不振 ●DCIは,BBBを通過しないため,脳内でのレボドパからドパミンへの代謝を阻害してしまうことはない.●DCI合剤を使用する.●レボドパの量を調節する.●少量頻回投与にする.●アマンタジンを服用する.●レボドパを減量する.●DCI合剤を使用する.●低血圧治療薬を併用する.パーキンソン病●詳細は不明だが,ドパミン神経伝達の亢進と考えられている.●レボドパが末梢でドパミンに変換され,心臓のドパミン受容体を刺激することによる.●ドパミン作動性ニューロンの変性が進行し,ドパミンの保持能力が低下するためと考えられている.●舞踏運動●口部ジスキネジア●全身性ジストニア など●幻覚(小動物,虫などの幻視)●せん妄(見当識障害) など●動悸・不整脈●起立性低血圧(立ちくらみ) など●薬効持続時間が短縮し,症状に日内変動が起こる.●ジスキネジアが生じることがドパミン過剰によるもの●レボドパを分割投与する.●ドパミンアゴニスト,MAO-B阻害薬,COMT阻害薬,ゾニサミド,イストラデフィリンなどを併用する.●確実な方法はないが,レボドパの分割投与やMAO-B阻害薬,COMT阻害薬を用いることもある.●レボドパを空腹時に服用する,●原因は不明だが,wearing offの病態やレボドパ吸収障害などの複合的要因が関与している可能性が考えられる.●急激に症状が良くなったり悪くなったりする(非常にまれ).長期服用に伴うもの●消化管運動促進薬(ドンペリドン,モサプリドなど)を併用する.●レボドパの1回服用量を増やす.●レボドパ持続経腸療法*に変更する.●十分量の輸液●ダントロレンの投与●体の冷却●レボドパの吸収障害によると考●原因は不明だが,ドパミン神経系の急激な機能低下が関与していると考えられている.●レボドパを服用しても効果が●レボドパが効果を発現するま●高熱●意識障害●筋強剛●ミオグロビン尿 急な中断や脱水によるもの〔p.173〕*レボドパ持続経腸療法とは,胃瘻を造設し,ポンプとチューブを用いてデュオドーパ®配合経腸用液(レボドパ・カルビドパ配合剤)を空腸へ投与することで,レボドパの血中濃度を一定に保つ投与法である.投与機器は携帯可能であり,日常生活を送りながら治療を受けることができる.1日の投与可能時間は最長16時間で,8時間以上は休む必要がある.●ジスキネジアやwearing off現象などの不随意運動をあわせて運動合併症という.171H3CH3CNNHHCOOHCOOHNH2NH2■H2O■H2OHOHOOHOHHOHONH2NH2HHNNOHOHNNHHOOOHOHOHOH❶カルビドパ水和物消化器症状不随意運動(ジスキネジア)精神症状循環器症状ある.でに時間がかかる.悪性症候群wearing off現象〔p.172〕on-off現象no on現象delayed on現象❷ベンセラジド塩酸塩症状など発現しない.などレボドパ製剤での治療には,ネオドパストン®やメネシット®(カルビドパ配合剤),マドパー®(ベンセラジド配合剤)など,もともとDCIが配合されている製剤を用いることが主流になっています.機序受性の亢進による.えられている.薬剤師主な対策薬を服用する.水に溶かして服用する.脳まで到達するレボドパを増やす ドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)消化器症状,不随意運動,精神症状の頻度が高い レボドパの副作用

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