薬1-2版_立ち読み
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●この他,wearing off 現象の改善に使用する経腸用液(デュオドーパ®)もある.●大量の蛋白質摂取により脳への移行量が低下する〔p.145〕.●DCIを併用していない場合,ビタミンB6(ピリドキシンなど)で効果が減弱する(ビタ●緑内障の患者は多いが,本薬が禁忌となる閉塞隅角緑内障はまれで,ほとんどは開放+DCI●レボドパはBBBを通過し,黒質-線条体でドパミンに変換され作用する.●レボドパの多くは末梢を循環する間にドパ脱炭酸酵素*(DDC)により代謝され,ドパミンとなる〔p.27〕.●ドパミンは血液脳関門(BBB)〔p.145〕を通過できないため,前駆物質でありBBBを通過できる〔p.145〕レボドパ(L-dopa)を投与する.●レボドパが脳内に移行する前に代謝されるのを防ぐために,カルビドパやベンセラジドといったドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)との合剤が用いられる〔p.171〕.●このため,十分な効果を得るには,●これにより,レボドパが脳内に移行する前に代謝されるのを防ぎ,レボドパの必要量を1/4から1/5に減らすことができる.●DCIは末梢のDDCを阻害する(DCIは*芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)ともよばれる.●DCIの併用により,末梢で代謝生成されたドパミンによる副作用(悪心・嘔吐,不整脈)の程度を弱めることができる.ただし,レボドパ単独投与よりも中枢性副作用のジスキネジアや精神症状が強くなることがあるため注意する.STOP!【補足事項】170●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●商品名【レボドパ含有製剤】●レボドパ:ドパストン(カ,散,注),ドパゾール(錠) ●レボドパ・カルビドパ(10:1)配合:ネオドパストン(錠),ミンB6はDDCの補酵素であり,レボドパの代謝を促進するため).隅角緑内障である.開放隅角緑内障であることが確認できれば,本薬を使用してよい. カルビドパなどを併用する レボドパの投与法 ● ● ●レボドパ(L---dopa)●●●レボドパ(Lレボドパ(Ldopa)dopa) ● ● ●悪心悪心悪心嘔吐嘔吐嘔吐 ● ● ●DDCDDCBBBLAT1DCI指導pick up□「飲み始めは気持ち悪くなることがあると思いますが,継続して飲むことで体が慣れ,症状は治まります」□「急に眠くなることがあります.車の運転などは避けてください」□「薬を急に止めると症状が悪化し,副作用が現れることがあります.自分の判断で服用を中止しないでください」末梢(血液中)通過できないレボドパドパミンレボドパ通過できるレボドパレボドパ通過できるレボドパが増えるメネシット(錠) ●レボドパ・ベンセラジド(4:1)配合:マドパー(錠),イーシー・ドパール(錠),ネオドパゾール(錠) ●レボドパ・カルビドパ水和物配合:デュオドーパ(経腸用液) ●レボドパ・カルビドパ水和物・エンタカポン配合:スタレボ(錠) 略 語●レボドパ(L-dopa):levodopa ●大型中性アミノ酸輸送体(LAT):large neutral amino acid-transporter ●血液脳関門(BBB):blood-brain barrier➡Pharmacology vol.1 : An Illustrated Reference GuideMinimum EssenceMinimum EssenceMinimum EssenceCOOHCOOHHOHOHHNH2NH2OHOHBBBを通過しない).レボドパ(L-dopa)中枢黒質解説線条体大量のレボドパが必要となる.レボドパ

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