薬1-2版_立ち読み
11/26

➡●カテコール-■-メチルトランスフェラーゼ(COMT):catechol-■-methyltransferase ●モノアミン酸化酵素B(MAO-B):monoamine oxidase B ●脳深部刺激療法(DBS):deep brain stimulation ●γ-アミノ酪酸(GABA):γ-aminobutyric acid●パーキンソン病では,中脳の黒質が変性することでドパミンが欠乏し,これによって大脳基底核による運動の制御が障害され,スムーズな運動ができなくなる(大脳基底核の機能異常,錐体外路症状〔病⑦p.213〕).*3線条体から淡蒼球内節に至る神経経路には,抑制に働く直接路と,促進に働く間接路がある〔p.181〕.●パーキンソン病の病態の詳細は『病気がみえる vol.7 脳・神経』p.353を参照のこと.●メラニン含有細胞の脱落により,黒質の色調が薄くなっている( ).●黒質はメラニン含有細胞により黒く見える( ).中脳の肉眼所見●パーキンソン病では残存したニューロン(神経細胞)内にレビー小体(円形の細胞質封入体)が出現する.●正常の黒質ニューロン(神経細胞)がみられる.黒質黒質のミクロ所見中枢神経系の疾患と薬パーキンソン病線条体病態イメージ大脳基底核大脳基底核随意運動の調節❶線条体の働きを調節している黒質の変性が起こりドパミンが減少すると,線条体は淡蒼球内節を抑制できなくなる.❷このため淡蒼球内節が必要以上に運動に抑制をかけてし❶随意運動の際に,線条体が大脳皮質からの入力と黒質からのドパミンによる調節を受け,淡蒼球内節(と黒質網様部)の働きをほどよく抑制する.❷淡蒼球内節は,随意運動を強く抑制する機能をもつが,線条体にほどよく抑えられているため,過剰な運動のみを抑える.このため運動がスムーズに実行できる.黒質ニューロン*1ドパミンアセチルコリン作動性ニューロン*2ブレーキを調節するよほどよくブレーキかけよう:促進:抑制Pharmacology vol.1 : An Illustrated Reference Guide167*3●❷淡蒼球内節レビー小体もう働けない…ドパミン合成不足大脳皮質入力●❶変性線条体黒質ドパミン⬇●❷淡蒼球内節ブレーキかけすぎ写真提供:村山 繁雄*1ドパミン作動性ニューロン,またはドパミン細胞ともいう.*2アセチルコリン作動性ニューロンは,ドパミン系に対して抑制的に働く介在ニューロンである.正常ではドパミンとアセチルコリンのバランスによって線条体の働きが調節されている.パーキンソン病ではドパミンが欠乏するため,相対的にアセチルコリン系の活動が強まってしまい,結果的に運動の抑制はさらに増強されてしまう. ドパミンが欠乏すると運動は抑制される パーキンソン病の病態 正常黒質メラニン含有細胞線条体を調節するんだドパミン合成十分なドパミンが受容体に結合し,線条体の働きを調節する.ドパミン受容体GABA作動性ニューロン大脳皮質入力●❶黒質線条体ドパミンによる調節適度にブレーキ出力随意運動がスムーズパーキンソン病変性した黒質ニューロンドパミン来ないよー動くなよ!出力⬆運動が抑制されすぎて動けないまい,運動がスムーズにできなくなってしまう.

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る